「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年 都内で記念サミット開く
2024年2月20日(火) 配信
和歌山、三重、奈良の3県で構成する「吉野・高野・熊野の国」事業実行委員会は2月8日(木)、7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録20周年を迎えるのを記念し、東京都内で記念サミットを開催した。観光客を誘致しようと、メディア関係者や旅行事業者など参加者約150人に向けて、世界遺産など地元の魅力をアピールした。
同事業は2010年度から、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を中心とした紀伊半島地域の観光振興と地域活性化をはかるため、3県共同で取り組んでいる。
サミットでは、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」プロデューサーの詩歩(Shiho)氏を迎え、「紀伊山地の霊場と参詣道」の絶景スポットを題材とした記念トークショーを行った。後半には、沿線市町村長による地域の魅力紹介や、3県知事と詩歩氏による記念トークセッションもあり、盛会裏に終わった。
トークセッションは、山下真奈良県知事や一見勝之三重県知事、岸本周平和歌山県知事が、各県それぞれの世界遺産登録20周年の取り組みと今後の連携を説明した。
奈良県では、旅行事業者向け商談会「奈良県観光見本市(仮称)」の開催や、交通事業者と連携した広報展開、SNSやWeb、雑誌などさまざまな媒体で誘客促進の活動を展開していく。山下知事は「今回説明した奈良県中部・南部には、本当に素晴らしい観光資源があり、ぜひ国内外の皆様に回ってほしい。奈良県の周遊型観光にスポットを充ててPRしていきたい」と力を込めた。
続いて和歌山県では、「令和の熊野詣 熊野古道リレーウォーク」により、23年12月~24年3月まで熊野古道の紀伊路を分けて踏破するイベントを行っている。岸本知事は「一段落したら来年度に(熊野古道の)中辺路をリレーするイベントも行う。できるだけ物語性を持たせたい」と話した。このほか、和歌山県立博物館で特別展や展覧会、20周年記念御朱印などの記念イベントを実施・PRしていくとした。
最後に三重県では、伊勢から熊野までを分けて踏破する「熊野古道伊勢路踏破ウォーク」や、同じく道の世界遺産があるスペイン・バスク自治州から関係者を招いた国際シンポジウムを開催予定。2次交通の実証運行や、受入環境を整備するとして、一見知事は「バスの待ち時間を短くして色んなところに行けるようにしたい。補助率を見直し、多くの上質な宿泊施設を呼び込みたい」と意気込みを語った。