メキシコのトルーコ観光大臣、観光PRで訪日 成田山・新勝寺で能登半島地震の復興祈願を
2024年2月22日(木) 配信
メキシコ観光省のミゲル・トルーコ・マルケス大臣は2月22日(木)、昨年10月にメキシコ南部のアカプルコ市で発生したハリケーン被害からの復興と、アカプルコ観光をPRする国外プロモーションの一環として来日した。トルーコ大臣の出張旅行の訪問地には、台風や地震などの自然災害による被害を受けたという共通点から日本・東京と、トルコ・イスタンブールが選ばれた。また、令和6年能登半島地震の復興を祈願するため、成田山新勝寺(千葉県成田市)に訪れた。
釈迦堂を参拝したのち記者会見を開いた。会見には、トルーコ大臣のほか、駐日メキシコ大使館のメルバ・プリーア大使、観光庁国際観光部の星野光明部長、アカプルコと姉妹都市である千葉県・御宿町の石田義廣町長が出席した。
トルーコ大臣は、能登半島地震への哀悼の意を述べたのち、「メキシコと日本は昨年、外交関係樹立135周年を迎えた。メキシコシティと東京間の航空便は1日2便の直行便が出ている。昨年にメキシコを訪れた日本人観光客は8万3258人。このほど、メキシコ湾と太平洋湾を結ぶ観光列車『マヤ鉄道』が全線開業すれば、リゾート地や古代マヤ遺跡が点在する半島を一周できる。メキシコが誇る歴史、文化、美食など、自分の興味に合ったものがきっと見つかる」と話した。
プリーア大使は、「トルーコ大臣が訪日したのは、日本とメキシコの友好関係の再確認。能登半島地震やアカプルコを襲ったハリケーンなど、両国を自然災害が襲ったことから、能登半島地震における哀悼の意を捧げるために来日した」と説明した。
石田町長は、アカプルコハリケーン被害へのお見舞いを述べ、「日本とメキシコの縁は1609年、ドン・ロドリゴ総督を乗せたサンフランシスコ号がフィリピンからメキシコに帰還中に台風に遭い、御宿町の岩和田海岸(現・田尻浜)で遭難した際、地元の人たちが船員317人を救助したことから始まった」と400年以上続くメキシコとの友好関係を話した。
星野部長は、「アカプルコと同様に、能登を含む北陸地域でも観光を楽しんでいただける場所が数多く存在している。復興情報や観光情報を発信するため、日本政府観光局(JNTO)メキシコ事務所から積極的に訪日プロモーションを行っている。昨年1年間のメキシコからの訪日客数はコロナ前を超えている。メキシコ政府と連携して、双方向交流の拡大に努めていきたい」と力を込めた。
観光庁からは石川県の伝統工芸である山中漆器の扇子、御宿町からはアカプルコ市のハリケーン被害への救援金目録が贈られた。
メキシコからは、アステカの旅行者の守り神が描かれたレリーフが観光庁、御宿町、成田山新勝寺にそれぞれ贈られた。