北陸応援割の開始日は各県ごとに判断 既存予約は対象外に(髙橋観光庁長官)
2024年2月22日(木) 配信
観光庁の髙橋一郎長官は2月21日(水)に会見を開き、「北陸応援割」の開始時期について、「2次避難の状況や、住まいの提供状況を考慮した各県の意向を踏まえて実施していく必要がある。近々各県から開始日を広報される予定」と話した。また、既存予約については、同事業が令和6年能登半島地震の風評被害を早期払拭し、失われた観光需要を新たに喚起する目的で実施されることから、既存予約は制度の対象外とした。
北陸応援割は、令和6年能登半島地震の被災者支援のため、「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」の一環として、観光支援策として実施される。国内・訪日旅行者を対象に、1人1泊当たりの旅行・宿泊料金の50%を割引支援するもの。
期間はゴールデンウイ―ク前の3~4月とし、石川県、富山県、福井県、新潟県の4県が対象。
一方で、北陸地域の宿泊施設は、現在避難者を受け入れる2次避難所として被災者を受け入れている宿があることから、髙橋長官は、「各県で今置かれている状況についてしっかりご判断いただいたうえで、具体的な開始日を決めるということなので、県としてのしっかりしたご判断のもと進められると考える。これを踏まえて柔軟に対応していかなければならない」とし、「観光庁としては、北陸応援割の円滑な事業実施に向けて、各県としっかり連携しながら取り組んでいきたい」との考えを示した。
日本政府観光局(JNTO)による風評被害対策について、1~2月には被災地の復旧状況をみながら正確な情報発信と訪日プロモーションを行っている。具体的には、WebサイトやSNSに北陸の魅力や施設の再開に関する海外向けの情報発信・海外旅行博へのブース出展・海外旅行会社を北陸に招請し旅行商品造成促進につなげる──などに取り組んでいる。
3月16日(土)に予定されている北陸新幹線延伸については、「国内・訪日拡大に向けて大変重要な機会であるため、外国人旅行者に北陸地域に来ていただきたい。インフルエンサーや海外メディアの招請など、海外メディア向けのニュースレターにより、北陸新幹線を利用した旅の魅力・モデルツアーを発信している。また、旅行会社との共同広告によって、北陸新幹線を利用した旅行商品の販売促進をはかっていきたい」考えだ。
□8カ月連続で19年水準 訪日外客は好調に推移
1月の訪日外客数は、268万8100人。能登半島地震発生により、東アジアを中心に訪日旅行への影響が一部みられたが、前年同月比79・5%増、19年同月比100・0%となった。
台湾、フィリピン、米国などで外客数が増加し、23市場のうち10市場が1月として過去最高を記録したほか、韓国・台湾・豪州では単月過去最高を更新した。
中国からの1月訪日客数については、19年同月比は約55%の42万人となり、一定の回復傾向にある。春節(2月9日~17日)期間中については、JNTOが現地の旅行会社に春節の予約状況を聞き取ったところ、「19年の同時期と比較すると、同程度あるいは今年の方が高いのでは」という見方を示した。