ふくしまDCで12%増、観光客数震災前の9割へ
今春「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」を展開した福島県の4―6月の観光客数は、前年同期比12・2%増の1357万人(推計値)と、NHK大河ドラマ「八重の桜」の放送でにぎわった一昨年の実績も上回り、震災前の9割まで回復した。
8月24日、福島県観光復興キャンペーン委員会とJR東日本が福島市内で開いた会見で、内堀雅雄福島県知事らが発表した。地域別に見ると太平洋側の浜通りが同19・3%と約2割増。会津が同15・6%増、中通りが同6・8%増。震災前(2010年4―6月)に1519万人だった観光客数は、11年に710万人に半減。13年は八重の桜の人気で1324万人まで持ち直した。今春は1357万人と13年実績も上回り、震災前の約9割となる89・3%まで回復した。
とうほう地域総合研究所は、DC開催にともなう経済波及効果を約295億円と試算。直接効果は116億円、原材料購入などの1次波及効果は147億円、雇用所得増加などの2次波及効果を32億円と分析している。
ふくしまDC成果発表会も開き、観光関係者約300人が参加した。県内3千を超える観光企画のなかから、二本松おもてなし隊(二本松市)や、白水阿弥陀堂ライトアップ(いわき市)、慧日寺(えにちじ)跡を活用したイベント(磐梯町)、甲ちゅう着付け体験(南相馬市)などの取り組みが報告された。