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デジタルノマドビザ制度設計と、二地域居住について議論 ワーケ議連第5回総会

2024年2月28日(水) 配信

(左奥から)鶴保庸介会長、武井俊輔事務局長

 自民党のワーケーション推進議員連盟(鶴保庸介会長)は2月28日(水)、第5回総会を開いた。内閣官房、厚生労働省、観光庁、総務省、外務省、国税庁、環境省、農水省などが出席し、デジタルノマドビザや二地域居住について、法務省出入国在留管理庁(入管庁)や、国土交通省国土政策局、RULEMAKERS DAOが説明した。また、今総会で「ワーケーション・二地域居住推進議員連盟」に名称を変更した。

 デジタルノマドは、国際的なリモートワーカーであり、世界に3500万人以上、7870億㌦(日本円で約120兆円)の市場規模を持つとされている。地域の消費拡大や地域人材との協働を通じたイノベーション創出への貢献に期待が寄せられ、諸外国ではビザ・在留資格の整備が進められている。

 日本では、2023年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」において、海外企業家・投資家の誘致拡大として、デジタルノマドの呼び込みに向け、ビザ・在留資格について本年度中に制度化を行う方針を示している。

 入管庁が示したデジタルノマド向け在留資格案では、査証免除対象である国・地域かつ、租税条約締結国などの国籍を有している国際リモートワーカーやフリーランスに向け、在留資格「特定活動」として6カ月を付与する。なお、要件として、申請の時点で年収が1000万円以上であることや、民間医療保険に加入していることが必要となる。

 デジタルノマド誘致によるメリットとして、RULEMAKERS DAO地域subdao担当の牧野裕貴氏は、「観光立国の起爆剤となり、日本のイノベーション促進や、日本が共生社会になるための第一歩となる。また、訪問地の活性化や関係人口の増加が期待される」と説明した。

 一方で、韓国や台湾の制度と比較すると、韓国が最大2年で収入が約915万円以上、台湾が最大3年で収入が約882万円以上であることから、海外デジタルノマドからは「6カ月以上の長期滞在をしたい」といった声が多かったという。

 入管庁は、「所得税や住民税などが掛からないよう、利用者と市町村の手間を極力なくした制度設計を検討している。どのくらい利用されるかを注視し、好評であればより緩和の検討も進める必要があろうかと思われる」とした。

 国土政策局は地域居住について「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律案」として、二地域居住について説明した。都道府県が二地域居住に係る広域的地域活性化基盤整備計画を作った際、市町村は特定居住促進計画を作成できる。この計画では、二地域居住者向けに空き家を改修する・コワーキングスペース整備などについて支援する。また、首長は、二地域促進に関する活動を行う法人や民間企業などを、支援法人として指定できる。

 これにより、二地域居住の促進によって、地方への人の流れの創出・拡大をはかる。

 質疑・意見交換では、「国内でデジタルノマドが盛んなのはニセコ市と福岡市。成功事例の共通項や事例を共有し、詳細に分析することが必要」「二地域居住について、ゴミ捨ての問題など自治体のインフラサービスをどこまで受けられるかや、二地域居住者の生活に係るコスト問題について、居住実態の調査とともに慎重に検討していかなければならない。また、住民税を徴収しない代わりにふるさと納税の活用も考えられる」など、活発な意見が交わされた。

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