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NAA、国際線旅客19年比8割まで回復 韓国など近距離線好調で

2024年3月1日
編集部:木下 裕斗

2024年3月1日(金) 配信

田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が2月29日(木)に発表した2024年1月の国際線旅客数は前年同月比46%増の244万5460人となった。19年比では、初めて8割まで回復した。韓国や台湾、香港線など近距離のアジア路線が好調だったことが主な要因。

 国際線旅客数のうち、外国人旅客数は前年同月比59%増の164万4202人。19年同月比で11%増とコロナ禍前を超えた。日本人旅客数は前年同月比70%増の54万166人。19年同月比では52%減だった。

 国内線旅客数は前年同月比18%増の62万9757人。19年同月比6%増と6カ月連続で19年同月を超えた。

 総発着回数は前年同月比23%増の1万9638回。旅客便のうち、国際線は同42%増の1万2611回。国内線は同4%減の4189回だった。

 田村社長は今後の見通しについて「インバウンドは韓国や台湾、タイ、シンガポールなどが好調に推移するだろう」と予測。日本の学生が春休みを迎えるほか、卒業旅行の需要が高まることから、「アウトバウンドは比較的リーズナブルな東アジアやベトナム、フィリピンのセブなどへの利用が伸びる」と見通した。

台湾などコロナ前超 春節中国19年比5%減

 2月1(木)~24日(土)の国際線出国旅客数は前年同期比62%増の88万800人。

 このうち、韓国線は同45%増の19万2700人。19年同期比では40%増。台湾線は前年同期比63%増の11万7800人。19年同期比では15%増だった。

 春節期間中の1日当たりの中国線の出国旅客数は5000人ほどとなった。19年同期比では約5%減だった。

 田村社長は「予想より多く回復した。円安効果もあり免税店などの構内営業の売上は19年比で約3割増加した」と話した。

CO2を90%削減 改造不要の燃料導入

 NAAは3月4日(木)から、車両のゼロカーボン化を推進する一環で、消防車や給水車など4台空港特殊車両に次世代型バイオ燃料「リニューアブルディーゼル(RD)」を導入する実証実験を行う。

 同社ではこれまで、電気自動車や燃料電池車への置き換えを実施してきた。一方で、空港特殊車両については、電気自動車が開発されていない。このため、改造不要で燃料のみを入れ替えることで、従来の軽油と比べて約90%CO2を削減できる同燃料の導入を決めた。

 RDは、廃棄された食用油や植物を原料とし、CO2を大幅に削減できるジェット燃料SAFの製造工程で副産物として生成される。

 実証実験では、車両への影響を確認するほか、供給体制の構築に向けた検証を行う。CO2削減量は年間で約20㌧となる。

 田村社長は「SAFの製造を後押しできるため、導入を決めた。高コストが課題だが、SAF製造量増加で、RDのコストが低減することを期待している」と語った。

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