Aカードトップ会、4年ぶりの開催 「24年は出張需要に期待」
2024年3月13日(金) 配信
独立系ホテルのキャッシュバックポイントカード運営を手掛けるAカードホテルシステム(内藤信也社長、東京都千代田区)は3月12日(火)、東京都内でカード加盟ホテルを対象に「第26回Aカードトップ会」を開いた。4年ぶりの開催となる同会は、加盟ホテルの経営者や支配人、関係者含む約180人が参加した。
同社が運営する「Aカード」は、全国の加盟ホテルやレストランを利用するたびにポイントが貯まり、現金に替えられるポイントカード。全国で515店舗が加盟し、会員数は2024年2月末時点で150万人に迫っている。23年12月にアプリ版をリニューアルし、完全カードレス化を実現。累計12万ダウンロードを突破している。
内藤社長は、国内ホテル市場について「4年間の長い年月をかけて売上水準が回復し、23年の宿泊需要は19年を上回る水準まできた。とくに23年12月は、宿泊業売上高が19年同月比27・1%増、延べ宿泊者数が同9・3%増、RevPAR(販売可能客室1室当たりの平均宿泊売上)が同32・1%増と非常に好調な回復をみせている」と話した。23年のRevPARについて、回復の遅れで地域差があるものの「全国平均では19年比13%増と、19年水準を上回る回復」と述べた。
続けて、加盟ホテルの延べ宿泊者数の推移を基にした、コロナ禍での出張ビジネスマンの宿泊需要について説明した。内藤社長は「19年同月比では落ち込んだものの、出張ビジネスマンはコロナ禍であっても落ち込みが少ないと実証された。そして、24年(1~2月)が19年同期比3%増と、早くも19年水準を上回る好調さをみせている」と語った。
加えて、国内での半導体工場の設備投資計画により建設ラッシュを迎えると述べ、「24年はインバウンド(訪日外国人旅行)客のみならず、出張ビジネスマンの活発な宿泊需要を期待できる年になる」考えを内藤社長が明かした。
トップ会では、恒例のホテル利用動向アンケート結果の公表のほか、ホテル業界が直面している課題の解決に向けた講演が行われた。外部専門家として、ジョブズリサーチセンターの宇佐川邦子センター長を招き、宿泊業の採用と定着について講演。このほか、3つの加盟ホテルがリレー講演として各加盟店独自の取り組み事例を紹介した。