日本秘湯を守る会、50周年記念式典開く 「共生」の理念のもと、秘湯と温泉文化を次世代へつなぐ
2024年3月14日(木) 配信
日本秘湯を守る会(星雅彦会長、144会員)は3月13日(水)、東京都内で創立50周年記念式典「つなぐ秘湯 50周年の歩みと新たな挑戦」と懇親会を開いた。会員宿や関係者のほか、抽選で選ばれた400人以上の招待客が50年の節目を祝った。
また、50周年を記念した冊子として、同会を立ち上げた故岩木一二三氏の講演内容や言葉をまとめた「創設者 岩木一二三語録」を発行した。
冒頭、星会長は「高度成長期の真っただ中、当会は33軒の温泉宿が集まり産声を上げた。当時は、バス1台も入れないような小さな宿は見向きもされなかった。こうした温泉宿が次の時代を生き抜くために助け合っていこうという想いで、岩木氏の提唱で始まったのがこの会。温泉文化を守り続けることについて、秘湯の現在・過去・未来を一緒に考えていける時間にできれば」とあいさつした。
佐藤名誉会長は「秘湯を守る会50年の総括」として、講演を行った。「旅人とは、『環境』そのもののなかに同時に生きる人たちでなければならない。今まで日本そのものを支えていただいた旅人が温泉に行き、心身共に癒されていろんなものを持ち帰るような環境を今後も残していかなければ。『共生』の理念のもと、明日の51年目の出発に際してもう一度振り返っていただきたい」と力を込めた。
基調講演は、漫画家・文筆家・画家のヤマザキマリ氏が登壇した。
パネルディスカッションでは、星会長とヤマザキマリ氏のほか、安部里美氏(山形県・滝見屋)、君島永憲氏(栃木県・渓雲閣)、高橋大志氏(静岡県・雲見園)が登壇し、「秘湯を守り、未来につなぐために 日本と世界の取り組みから」をテーマに意見を交わした。コーディネーターは、朝日新聞社GLOBE+編集長の関根和弘氏が務めた。
式典後には懇親会が開かれ、盛会裏に終わった。