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地域によって異なる未婚男女のバランス ― 地方行政も「出会いの場」をサポート

2015年9月21日
編集部

 「出会いがない」なら出会いの場をつくろうと、地域創生の一環として地方自治体や旅行会社も熱く動き始めた。

 2010年時点の生涯未婚率は男性が20・1%、女性が10・6%だったが、30年には男性が27・6%、女性が18・8%と飛躍的に増加すると、国立社会保障・人口問題研究所が予想している。未婚率が大幅に上昇する原因は結婚しづらい社会構造もあるだろうが、でもそれだけではないような気がする。

 地域によって未婚男女のバランスが異なる結果も出た。総務省統計局によると、20―39歳で未婚男性よりも未婚女性の方が多いのは鹿児島県、福岡県、奈良県、長崎県、兵庫県、熊本県、宮崎県、大阪府、佐賀県、京都府など西日本に偏り、一方、未婚女性より未婚男性が多いのが栃木県、茨城県、愛知県、静岡県、富山県、群馬県、福島県、山形県、長野県、神奈川県など東日本に偏っている。このため、地域を超えた出会いの場の必要性が言われている。

 リクルートマーケティングパートナーズが運営する「ゼクシィ縁結び」が今年7月にまとめた、東名阪の都市部在住者の地方での暮らしへの関心についての調査では、「地域の暮らしに興味のある20―30代男女」の割合は、既婚者は34・6%、そして未婚者は48・1%と意外に高く、約2人に1人は、都市部ではなく、地方での生活に関心を持っていることがわかる。

 しかし、いくら関心があっても、実際に行ってみなければ、そもそも現実的な気分になれないし、その前に何らかの「取っ掛かり」が必要である。

 地方創生が国の政策の柱となっているが、その根幹となるのは人の交流であり、もっと言えば、定住人口の増加、さらに望めば、若年層がたくさん地元で生活してくれることである。

 佐賀県は、首都圏でさまざまな企業やメディアとコラボレーションしながら情報発信を強めていくプロジェクト「サガプライズ!」に取り組んでいる。その一環として、ゼクシィ縁結びと協力して、佐賀県の農業や漁業などに携わる生産者や、酒蔵の職人など独身男子と、未婚の東京女子を結び付ける多様な「縁結び」イベントを仕掛けていく予定だ。9月4、5日に東京都内で首都圏在住の男女約290人と佐賀県の職人・生産者約70人が交流できるフェスティバルを実施すると、気軽な気持ちで参加した人も、佐賀県の食の魅力などを初めて知る機会となり、イベントは大盛況だったという。10月末から11月の初めにかけ、首都圏の未婚女性約30人が2泊3日で佐賀県を訪れ、交流を行う「佐賀 ご当地結び旅」も計画されている。LCCの「Spring Japan(春秋航空日本)」や日本旅行も、このツアーに参画している。

 「出会いがない」と多くの若者が感じているという。だが、身近に理想的な異性がいるなんて幸運は滅多にない。そうであるなら自ら動くしかない。つまり、異性を求める旅だ。野生動物だってあらゆる手段を講じて、そうやっている。自ら動けない植物に至っては、ミツバチなんぞを利用する。強かである。それに比べ人間は移動や通信手段は万全なのに……。もっと動いて、旅して、日本中、世界中の人と出会う機会をつくるべきだと思う。地域や旅行会社は、ときには“ミツバチ”となって出会いをサポートするのもいい。

(編集長・増田 剛)

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