学生対象にアメリカ旅行企画コンテスト実施 JATA、日米観光交流年で若者の海旅需要喚起
2024年3月21日(木) 配信
日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)は3月21日(木)、若者の海外旅行需要喚起策の一環で学生を対象とした「アメリカ旅行企画コンテスト」を実施すると発表した。日米の政府はコロナ禍で落ち込んだ両国間の観光往来の回復に向け、今年を「日米観光交流年2024」に制定。また、今年は海外渡航自由化60周年の節目でもあることから、今秋開催予定のツーリズムEXPOジャパン2024の海外旅行シンポジウムの1プログラムとして展開する。
JATAが3月21日に開いた定例会見で発表を行った、海外旅行推進部の薦田祥司副部長によると、2023年の日本人海外旅行者数は19年比で47.9%となった。他方、19年のアメリカ(ハワイ・グアムを含む)への日本人渡航者数は約375万人で人気ナンバーワンの海外旅行先だったが、23年のアメリカへの日本人渡航者数は19年比で40.5%と全体平均に比べ下回っているという。
円安や旅行価格高騰などが主な原因だが、人気の旅行先の回復遅れは旅行業界としては憂慮すべき事態。日米間は464の姉妹都市提携があることから観光交流年を機に、「交流の活発化やコロナ禍で止まっていた交流を再開しましょうと会員からも自治体へ声をかけている」と紹介したうえで、「アメリカの回復が海外旅行市場全体を押し上げる要因になる。JATAとして強く推していきたい」と意気込んだ。
今回のコンテストの対象は全国の大学、短期大学、専門学校に在籍する学生で、1人でもグループでも、また複数点でも応募できる。学生目線の斬新な発想で同世代の若者のアメリカへの旅行需要を新たに創出、喚起できる実行性のある旅行商品を求む。旅行先地域はアメリカ50州と5準州。
薦田副部長は「これまでの旅行商品はひょっとすると、今の若い世代にとっては的外れかもしれない。また企画性の面で欧州などに比べて低いのではという懸念もある。ハワイやグアムでも航空券とホテルだけではないプラスの企画や、本土はニューヨーク、カリフォルニアだけではない新しいデスティネーションを求めている」と期待した。
応募方法は6月3日(月)~7月5日(金)の期間中に所定のプレゼンテーションファイルから作成した企画書を応募フォームに登録する。詳細はJATAホームページから要確認。
スケジュールは1次、2次審査を経て7月下旬を目途に優秀企画6作品を選出。8月上旬ごろプロによるブラッシュアップを受け、最終的に9月27日(金)開催のツーリズムEXPOジャパンの会場で公開プレゼンテーションを行う。グランプリには応募企画観光地までの旅行費用最大50万円補助のほか、ANAの成田―ホノルル往復航空券2人分などを贈呈。旅費をサポートすることで、企画した旅でのようすをSNSなどで積極的に発信してほしい考え。
なお、2019年まで実施していた学生を対象とした海外卒業旅行コンテストの実績では300件以上の応募があったことから、「最低でも100点を目標にしていきたい」とし、観光関係以外の学生にも広く参加を呼び掛けていく。