連携する3自治体を舞台に結婚式プロデュース 八芳園がコンテスト実施
2024年3月25日(月) 配信
八芳園(井上義則社長、東京都港区)は3月18日(月)、ブライダル企画を競う「ベストプロデューサーコンテスト」を実施した。ブライダル業界を盛り上げるため、企業間の垣根を超えたチーム力や提案力を高め合う場として2022年から開いているもの。今回は初の試みとして、八芳園と連携協定・パートナーシップ協定を結ぶ3自治体を舞台にした結婚式のプロデュースを行った。ファイナリスト18人が宮崎県宮崎市と福島県・鏡石町、栃木県那須塩原市の3チームに分かれ、それぞれの企画をプレゼンテーションした。
発表前に登壇した井上社長は画一的な昨今の結婚式に触れ、「昔、結婚式は地域文化に溢れたものでお国自慢だった」とし、「今後、婚礼業界で大切なのは、両手を広げて手を取り合い、足元の泉を見ること。泉は地方にある。地域文化を資本にして再構築する時期にきた」と言及。事業を通して若い世代や世界にも広く地域の魅力を発信していきたい考えを示した。
関本敬祐総支配人は今後の同社の方向性として、首都圏市場だけではない地方エリアの市場活性化と、次世代のニーズを満たすウェディングの価値を生み出していくことを挙げ、これに伴う新たな取り組みを紹介した。
3月1日、福岡県福岡市に新たな施設として「THE KEGO CLUB by HAPPO-EN」をオープンした。400年以上の歴史を持つ天神の「警固神社」を新たな交流創造拠点として「食」をメインに、多彩な集いをプロデュースする。「八芳園が進出していくというイメージではなく、地元に愛され支持を得られるよう法人を立ち上げた」とし、地域に根差した伝統と文化を重んじる施設として運営していく。
4月1日から開始するのは「FURUSATO WEDDING PROJECT by HAPPO-EN」。地域を舞台に「結婚を通じて新郎新婦とまちを幸せで包み込む」をコンセプトにした事業で、今回のコンテストのようにウェディングやイベント、フォトウェディング、ギフトプロデュース、料理開発、プロダクト開発などを行う。関本総支配人は「地域と連携した婚礼事業で地域活性化を目指す」と意気込んだ。
□ベストプロデューサーコンテスト
コンテストはブライダルプロデューサーとクッキングコーディネーター、サービスコーディネーター、フラワーコーディネーター、ドレスコーディネーター、ヘアメイクコーディネーターの各3人、計18人が3チームに分かれて企画を練った。実際に現地に入り、自治体や地域の事業者らの協力を得て、会場となる素材や特産品などを視察した。
それぞれ地域の物産品などの特徴を前面に出す一方、3地域の企画に共通していた魅力は“人”。現地で出会った人の魅力を企画に反映させようと工夫していた。
会場には自治体関係者もゲストとして招いた。そのなかで、那須塩原市の渡辺美知太市長は「合併した自治体なので素材が多く絞り込むのが大変だったと思う。企画には市民も知らないような那須塩原の魅力が採用されていた。今後もぜひ外から見た魅力やアドバイスをお願いしたい」とコメントした。
また、会場では各チームが開発した婚礼用の食事メニューから1品ずつ試食として提供した。この舞台で同社はソフトバンクロボティクスが展開する配膳・運搬ロボット「Keenbot T5 Laser」をデビューさせた。同社によると、8台同時稼働は日本初の試みで、宴会場で同ロボットが稼働するのも初という。労働人口が減少するなか、披露宴や各種パーティーでロボットの活用を提案していく。なお、最終的にゲストの席に配膳するのは人の手で行うという。