鹿児島・奄美群島12市町村が広域で旅先納税導入 周遊促進を
2024年3月25日(月) 配信
鹿児島県奄美群島12市町村は3月25日(月)から、広域連携で地域経済を活性化するため、旅先へふるさと納税を行う「旅先納税®」を導入した。12市町村で利用可能な共通返礼品として電子商品券「奄美群島eしまギフト」の発行を開始し、群島内の周遊促進をはかる。九州で初の旅先納税の導入となり、複数の島を結ぶ広域連携は今回が初めての事例となる。
奄美群島が実施する旅先納税は寄付者が12市町村から寄付先を自由に選んで寄附をすると、寄付額の3割分にあたる電子商品券が即時に受け取れる。商品券は12市町村すべての加盟店で使うことができる。開始時点での加盟店数は飲食店や宿泊施設、土産店など152店舗。納税は1万円~100万円の枠で、返礼品は3000円~30万円までの7種類。
旅先納税や電子商品券発行はギフティ(太田睦・鈴木達哉社長、東京都品川区)が提供する「e街プラットフォーム®」を採用する。また、同事業には日本航空(JAL、赤坂祐二社長、東京都品川区)が鹿児島県から受託した「令和5年度 奄美群島誘客・周遊促進事業」を一部活用。加盟店募集や管理業務、精算業務、プロモーションなどはジャルパック(平井登社長、東京都品川区)が担う。
同日に鹿児島県庁で開いた会見で、塩田康一県知事は「奄美群島への入込増や地域経済の活性化につながれば」と期待した。JALの久見木大介鹿児島支店長は「従来のふるさと納税で恩恵が受けられなかった観光事業者や飲食事業者が対象になり、経済効果が見込まれる」と喜んだ。さらに、ギフティの森悟朗常務は「広域連携として今回は全国で3事例目。旅行者に自治体の行政区分は関係ない。奄美全体で取り組まれることで周遊を促す。今回の旅先納税導入が人と人、人とまちがつながるきっかけになれば広域返礼品型の価値が伝わるのではないか」と展望した。