「ONSEN・ガストロノミーツーリズムコラム」保全活動を商品化し森助け(岐阜県飛騨市)
2024年3月26日(火) 配信
面積の93%を森林が占める豊かな自然林が広がる岐阜県飛騨市では、「自然循環のまち」を目指し、森林の68%を占める広葉樹を使った商品の拡大や、森に自生する「薬草」を生かした観光施策の実施などの取り組みを進めています。
一方、自然を守るパトロール員やガイドの高齢化、登山道整備や獣害対策に必要な人員や予算の確保などさまざまな課題が生じ、継続的な自然保全活動が難しい状況にあります。
そこで、市では2022年度から自然環境保全を「まちの誇り」と「将来への責任」と位置づけ、各資源の現状と課題を整理し、順次必要な対策を講じています。そして23年には、「保全活動の見える化」と「ボランティアの拡大」を目的に「森スケ!」を立ち上げ、保全活動の商品化をはかりました。
ツアーの初回は、同年7月に実施した「奥飛騨山之村牧場」から山頂に向かう新たな登山道を作る「天蓋山登山新道整備」プロジェクト。その後、湿原の林間遊歩道整備や外来種除去などのプログラムを展開し、9回のプログラムに計147人の方に参加いただきました。また、24年3月、環境省と日本エコツーリズム協会共催の第19回エコツーリズム大賞の表彰式でパートナーシップ賞を受賞しました。
これからも飛騨市は、「森スケ!」のほか、自然の価値を高めるため、広葉樹製品の拡大や薬草文化の普及も進めていくべく、仲間を増やしながら持続可能な保全に取り組んでいきます。
【飛騨市役所 まちづくり観光課 課長 齋藤 由宏】