添乗員の待遇改善が喫緊の課題 TCSAが24年度総会開く
2024年3月27日(水) 配信
日本添乗サービス協会(TCSA、金澤悟会長、35会員)は3月26日(火)、東京都内で2024年度の通常総会を開いた。添乗員数の減少や高齢化が進むなか、待遇改善を喫緊の課題として添乗員確保の取り組みに注力する。総会後に開いた会見で、金澤会長は「添乗の仕事が好きな人が生きがいとして、一生添乗業務ができるような社会にしていきたい」と力を込めた。
昨年度実施した会員会社への調査によると23年の所属添乗員数は専従とスポット、また男女合計で6675人となり、5年前の18年から約2400人減少した。平均年齢は51・6歳で18年から約5歳上がり、若年層の成り手が少ないことが見受けられる。
減少の要因の1つはコロナ禍での添乗業務減少だが、働き方改革で実働時間が減り、時給は上がる一方、総収入が減少するなどの実情もある。
会員会社も人材の流出や社会保険適用条件の緩和による経費増加など、厳しい状況が続いている。
待遇改善には派遣先の旅行会社や、旅行代金を支払う旅行客の理解が不可欠だ。金澤会長は「高い賃金を求める場合、耐えうるだけの質の高い添乗が必要。各所への働きかけとサービスレベル向上の両方を行うことが待遇改善につながる」と述べた。
関係各所の理解を得るためにも、今年度はコロナ前に観光庁で行われていた「添乗サービスを持続的に提供するための検討会」の再開を要望する。厚生労働省や旅行会社団体らも参加しており、添乗業務を検討する貴重な場として求めていく。
このほか、インバウンド検定は昨年度に続き、初級と中級の試験を実施。作業部会では上級の試験実施への検討を行う。
人材確保の一環として、従来は高校卒業後の学生を対象としていた「ツアコンカフェ」や職業フェアに高校生も参加できるよう検討していく。