「ONSEN・ガストロノミーツーリズムコラム」 御食国で楽しむ海の幸(敦賀・若狭エリア【福井県】)
2024年4月9日(火) 配信
若狭湾に面した敦賀・若狭エリアは、五色の湖「三方五湖」や美しい山々などもあり、豊かな自然に触れ、癒しの時間を過ごしていただくことができる地域です。
この地域は海の幸に恵まれていることから、古くは朝廷に塩や海産物を納める御食国の役割を担っていました。
今も、ブリやイカ類など数多くの海の幸が獲れ、季節ごとに新鮮な魚介類を楽しんでいただけます。
波が比較的穏やかな湾内では、敦賀真鯛、若狭ふぐ、若狭まはたなどの養殖も盛んです。
どれをとっても美味ですが、若狭ぐじ(和名「アカアマダイ」のうち重さ、鮮度管理、漁獲方法などの基準を満たしたもの)は、うろこを取らずに塩をして焼き上げる料理を「若狭焼き」と呼ぶように、若狭を代表する魚の一つです。
また、かつて京の都へ海産物を運び、都からは祭礼などの文化が伝わったという幾筋もの街道は、現在では「鯖街道」と呼ばれており、一度塩漬けにしたサバをさらに糠に漬けて作る伝統的な保存食「へしこ」やサバ寿司などのサバ料理は、当地の名物となっています。
歴史に根差した食文化を体感するなら、往時の街並みが残る鯖街道の宿場町熊川宿(若狭町)の散策や、最も険しい鯖街道〝針畑越え〟(小浜市)の踏破がおススメです。このほか、おぼろ昆布の手すき体験や、若狭塗箸の研ぎ出し(小浜市)に挑戦してみるのも、当エリアならではの楽しみ方です。
上田 智美 若狭湾観光連盟 事務局長(寄稿当時)