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神津島が持続的な発展に向け民間4者と連携 「知って、行って、広める」の観光好循環を 

2024年4月11日
編集部:飯塚 小牧

2024年4月11日(木) 配信

島の魅力である星空を背景に語る前田村長

 東京都・神津島村(前田弘村長)は4月11日(木)、島の魅力拡大と持続的な発展のため、東日本電信電話 東京西支店(NTT東日本、上田達支店長)など民間4者との連携を開始すると発表した。5者は新たな観光分野の概念として、「サステナブル観光ループ・神津島モデル」を提唱し、3つの新しい取り組みを展開。「島の認知度を高めて、実際に旅行してもらい、それを広める」という循環を作り、将来にわたる交流人口の拡大を目指す。

 神津島は東京・島しょ部の伊豆諸島の1つ。同日に開いた会見で、前田村長は島の魅力について、2020年12月にダークスカイ・インターナショナルから島全体が「星空保護区」に認定されたことをあげ、「神津島は島全体が認定されたことで、“ダークスカイアイランド”の名称使用を許可された」と紹介した。湧水が豊かでフルーツや明日葉などの農産物のほか、漁業も盛んなため、金目鯛をはじめとする魚介類も楽しめる。古来より「神々が集まる島」として神話も残るほか、近年ではアニメの聖地として認知度が上がってきたという。

 数多くの魅力があり、「来てもらえれば素晴らしい島だと納得してもらえると自負している」と自信を見せるが、「そもそもどこにあるのか分かってもらえていないことがネック」と課題は知名度の低さにある。「昭和40年代の離島ブームには夏だけで約10万人が訪れ賑わっていたが、その後は観光客が減少し、経済が低迷、人口減少、と負のスパイラルとなっていた。100年後も続く活力ある島への道筋を作ることが使命。行政だけでは難しいこともあるため、パートナーの皆さんと数々の展開をしていきたい」と今回の事業の背景を語った。

 「サステナブル観光ループ・神津島モデル」は継続的に関係人口を増やしていくことを無限ループになぞらえるもの。まず、「知るキッカケ」の段階はANA NEO(冨田光欧社長)のバーチャル旅行プラットフォームアプリ「ANA Gran Whale」が担う。

  同アプリ内には、昨日から神津島のバーチャル旅行を追加した。秋・冬のベストスポットを再現しており、自分のアバターが新中央航空で神津島空港に降り立ち、天上山でのハイキングやありま展望台で星空を鑑賞するコースなどを体験できる。同社事業開発部の松尾英樹リーダーは「まず、バーチャルで体験して魅力に触れてほしい。アプリから旅の予約もできる」とアピールした。ゲストとして出席した航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は「すでに体験したが、とてもよくできている」と絶賛した。

 実際に現地での旅行にはANA X(神田真也社長)のアプリ「ANA Pocket」が役立つ。同アプリは移動でポイントが貯まるなど、移動に対する付加価値を創出しているが、その基本機能を活用して島の観光情報などをまとめた「神津島観光アプリ」を提供する。同社事業開発部の桐原智己プロジェクトマネージャーによると、アクセスから宿の予約、グルメやショッピング情報など「必要な機能や情報を1つに集約した」という。「旅の前から後までを支援したい。今回の連携での狙いは神津島を訪れた人がもう一度訪れたくなる顧客体験価値を提供していくこと」と意気込んだ。

 このほか、テレビ朝日(篠塚浩社長)は「誰かに広めたい」という部分を担う。まずは全国の星空ファンをつなぐコミュニティを立ち上げて、デジタルからリアルまでさまざまな企画を用意して神津島のファンや応援したい気持ちを醸成していく。

 なお、NTT東日本は全体のコーディネーターを担う。

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