3月訪日客数、単月過去最高の300万人 日米観光交流年でBOS・吉田正尚選手からビデオメッセージ(観光庁長官会見)
2024年4月18日(木) 配信
観光庁の髙橋一郎長官は4月17日(水)に開いた会見で、2024年3月の訪日外国人旅行者数が単月として初めて300万人を超えたことを報告した。24年3月は、春の桜シーズンによる訪日需要の高まりに加え、イースター休暇が3月下旬から始まったこともあり、前年同月比では69・5%増、19年同月比では11・6%増の308万2000人となった。
訪日外国人消費動向調査によると、24年1~3月期の訪日外国人旅行消費額は前年同期比73・3%増、19年同期比52・0%増の、1兆7505億円となった。
日米両政府間において、24年を「日米観光交流年」と定め、日米間の相互往来拡大に取り組んでいる。
観光庁はこのほど、福井県出身でMLBボストン・レッドソックスに所属する吉田正尚選手のビデオメッセージを公開した。日米観光交流年2024における日本人の訪米拡大と、能登半島地震からの復興を目指す北陸地域への米国人の来訪を呼び掛ける内容となっている。
吉田選手はビデオメッセージのなかで、「観光目的で訪米し、MLBを球場で観戦し応援してもらうことで、自分をはじめとした日本人選手へ勇気をもらいたい」と伝えた。さらに、米国人観光客へ向け、「北陸地域には風光明媚な景観や、山海に育まれた魅力ある食、世界に誇れる伝統文化がある。北陸新幹線の延伸により利便性が高まっているので、ぜひ北陸地域を訪れてほしい」と呼び掛けた。
このメッセージ動画は、観光庁や日本政府観光局(JNTO)が日米の観光関連WebやSNSを通じたビデオ配信を行うほか、日米で行われる観光交流イベントで放映される予定だ。
髙橋長官は、「吉田選手の想いがこもったこのメッセージが、日米両国の多くの人へ届き、日米間の観光交流がさらに活発化することを期待している」と話した。
また、同日に第23回観光立国推進閣僚会議が開かれた。9省庁が観光の現状を確認し、今後の取り組みについて話した。これを受けて、岸田文雄首相からは「インバウンドの地方誘客や、持続可能な観光地域づくりを加速していくことが喫緊の課題」として、①三大都市圏に偏在傾向にあるインバウンド需要を分散させ地方誘客につなげる②持続可能か観光地域づくりを強力に推進すること③あらゆる機会を捉えたインバウンド需要の拡大──など3つの指示があった。
髙橋長官は、「岸田首相からの指示を踏まえて、観光庁でも取り組みを進めていく。とくに、日本の地方には限りないポテンシャルが秘められており、これが花開くのはまだまだこれから。無限の可能性がある地方への誘客を強力に進めていきたい」と力を込めた。