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茅葺集落の保存と活用、6号認定は新潟県高柳町、 NPO法人ふるさとオンリーワンのまち

かやぶき集落荻ノ島の春日理事長(左)と、 ふるさとオンリーワンのまちの大越副理事長
かやぶき集落荻ノ島の春日理事長(左)と、
ふるさとオンリーワンのまちの大越副理事長

 無形物を含む地域の「オンリーワン」な観光資源の表彰事業などを行うNPO法人ふるさとオンリーワンのまち(津田令子理事長)は9月4日、新潟県柏崎市高柳町・荻ノ島集落における茅葺集落の保存や活用のための取り組みを「ふるさとオンリーワンのまち」第6号として認定し、現地で認定式を開いた。

 高柳町は新潟県柏崎市南部の稲作地帯に位置し、冬は豪雪地帯としても知られる。荻ノ島集落は茅葺きの家屋を含む民家が水田を囲む「環状集落」の形態を取る地域で、茅葺家屋は宿泊施設として利用できる。高柳町では荻ノ島集落のほかにも、門出集落にも宿泊滞在可能な茅葺集落がある。

 今回の認定を推薦した松蔭大学観光メディア文化学部の古賀学教授は「高柳町は目新しいモノがある観光地ではないが、生活文化そのものを守り、継承していく活動をベースに、さらに観光振興に活かしている。当たり前のものを当たり前のように活かし継承することで、日本の集落の原風景を継承する、大変すばらしい取り組み。交流活動や町出身者との連携活動、農業ベースの観光振興など、試行錯誤の連続だが、常に何かが起きている地域」と推薦の理由を述べた。

 表彰式では同NPOの大越信行副理事長が同町で茅葺屋根の保存活動を推進するNPO「かやぶき集落荻ノ島」の春日俊雄理事長に認定証を授与した。春日氏は認定を受け、「私どもがコツコツと地域資源や環境、農業など足元を見ながら積み上げてきたこと、地域と向き合ってきたことを認定していただき、やってきてよかったと改めて感じる。地域の身の丈にあった取り組みを今後も続け、次の時代に引き渡しせるようにしたい」と語った。

 海外からも注目の高柳町

 高柳町はSNSの活用などで、海外からの問い合わせも増えている。春日氏は「去年は香港からシェフが来た。『高柳町は香港から仁川、仁川から新潟。そこからレンタカーなのですぐ到着する。香港にはもうこんな風景は残ってない』と言っていた。最近では、ポルトガルの大学生が荻ノ島集落のフェイスブックを見て『生活風景の勉強の一環で高柳町に滞在したい』とのことで高柳町に長期滞在の問い合わせもあった。地域はダイレクトに世界とつながるようになったと感じますね」と述べた。

 高柳町について

 高柳町は稲作が困難な休耕地でそば栽培を進めており、旅館を改装したそば屋「ふかぐら亭」(同町山中地区)では幅1センチほどある「ござそば」を楽しむことができる。味が濃く、そばの香りがしっかりと伝わってくることから、そば好きに人気の一品となっている。

ござそば
ござそば

 また、同町には国の名勝「貞観園」(同町岡野町地区)もある。豪雪の影響で開園期間が6―11月と短いが、開園から夏にかけての木々と苔生した地面が重なる独特な景色や、秋口から閉園までの紅葉がみどころ。冬の積雪の重さに耐えられる巨木が立ち残り、低木は雪の重みで地を這うように成長するため、中間層の木々が少なく、空間を広く感じられることも特徴。

貞観園
貞観園

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