旅客のスマホで情報登録、顔認証搭乗手続きで時間短縮 ANA・JALらが実証実験
2024年5月13日(月) 配信
全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)、成田国際空港(NAA)、日本電気(NEC)はこのほど、顔認証技術を活用した搭乗手続き「Face Express」を旅客のスマートフォンで情報登録する実証実験を実施した。これによると、自動チェックイン機では従来の所要時間が半減し、手荷物預けの所要時間は3分の2になるなど、空港での手続きを大幅に短縮できることを確認した。
「Face Express」は2021年から成田空港で導入しており、NECの顔認証技術を活用している。チェックインなど空港での最初の手続きの際に、パスポート、搭乗券、顔写真情報を登録すると、従来必要だった搭乗券やパスポートを提示することなく、その後の搭乗手続きに進める。
現状は空港内の端末でしか個人情報の登録はできないが、今回はオンラインチェックインとともに個人情報登録をスマホでできるようにして実験を行った。ANAとJALのモバイルアプリと連携することで、チェックインから情報登録までをワンストップで実現した。
実証実験は3月25~28日まで、4社と関係者の約150人を対象に実施した。参加者が実際にモバイルアプリを操作して「Face Express」の利用登録を行い、その後の手続きの手荷物預けや保安検査場入場などを体験した。
実験では、同アプリの利用でスムーズな手続きが実現でき、空港スタッフの業務軽減にも貢献できることが分かった。一方で、アプリへの誘導方法など課題も浮き彫りになったことから、今後は実用化に向けた改善や検討を行う。併せて「Face Express」のさらなる利用拡大もはかっていく。