民泊適切なルール検討、訪日2000万人の受入整備継続(石井国交相就任会見)
国土交通省は10月9日、石井啓一新国土交通大臣の専門紙向け就任会見を開いた。民泊問題については適切なルールの在り方を検討、訪日対応は引き続き2千万人受入体制の整備に取り組むとした。
【丁田 徹也】
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――民泊問題について
非常に面白いアイデアだと思うが、事業として営む場合、防火対策や治安の確保、住民トラブルなど課題もあるので、民泊に関する“適切なルールの在り方”について消防庁や警察庁など関係省庁と検討を進めていきたい。
――訪日外国人の対応について
今年中に1900万人に届く勢い。今年策定したアクション・プログラムに基づき、空港容量の拡大や宿泊施設・貸切バスの供給の確保、多言語対応、地方免税店の拡充など、2千万人の受入体制の整備を進める。訪日外国人をゴールデンルートから全国各地に送る取り組みも進めるが、まずは2千万人受入れへの備えだ。
――成田空港の第3滑走路整備をはじめとした機能強化について
空港需要は非常に伸びているので、当面は首都圏の空港として2020年までに約8万回の増便の枠を目指している。まずは関係自治体と協議を進めていきたい。20年以降も機能強化は必要だと認識しており、第3滑走路など機能強化の具体化についても協議を進める。
――東日本大震災からの復興について
震災から4年半が経過し、復旧復興のステージは変わってきた。これからは住宅再建、まちづくりの時期を迎える。また、生活再建や仕事をしっかり作っていくことが求められていると思うので国交省としても引き続き全力で取り組む。
――財政健全化と経済成長に資する社会資本整備の進め方について
社会資本整備は気象災害の激甚化やインフラの老朽化、人口減少にともなった地方創生、国際競争の激化など、構造的な問題に直面している。したがって、これからは経済再生と財政の健全化の両方に貢献することが強く求められる。
具体的には防災・減災、老朽化へのメンテナンス、耐震化などを引き続き強力に進めると同時に、社会資本が本来持つストック効果(長期にわたり経済を成長させる効果)を重視し、選択と集中を行う。
――新経済連が提案するライドシェア(車の相乗り)サービスについて
仲間同士で乗り合うなら問題ないと思うが、安全の確保や利用者の保護といった課題が出てくるので、事業にするならば、極めて慎重に進めなければいけない。
――トラック輸送におけるドライバーの長時間労働改善について
経済活性化とともに物流が増えるとトラック需要も増えるが、一方で日本は少子高齢化で各業界が人手不足で、とくにトラックドライバーは労働条件の改善が重要。今年度は協議会が中央と各都道府県に設置されたので、協議会を通じた取り組みを進める。
また、若者や女性の活躍の定着に向け、長距離輸送に途中で休憩を挟む「中継輸送」の導入の促進や女性トラックドライバー促進プロジェクトなど、担い手の確保に引き続き取り組む。