2国間で「呼ぶ」「行く」 日米間の相互交流活発化へ(髙橋観光庁長官)
2024年5月16日(木) 配信
観光庁の髙橋一郎長官は5月15日(水)に開いた会見で、2024年4月の訪日外国人旅行者数が前年同月比56・1%増の304万3000人となったことを報告した。1~4月の累計では1160万1000人と、前年同期比では72・1%増、19年同期比では5・7%増となった。髙橋長官は、「5月5日(日)には、日米観光シンポジウム・北陸プロモーションイベントを行った。日米の相互交流拡大に向け、注力していく」と話した。
観光庁と日本政府観光局(JNTO)主催の日仏観光イベントが、5月2日(木)にフランス・パリで行われた。フランスの政府関係者、観光関連事業者、食関連事業者など約120人が会し、能楽のパフォーマンスや、文化・地方・食などに関するプレゼンテーションに参加した。レセプションでは、日本食や日本酒を提供し、観光・万博・食・文化のブースを設置した。
5月5日には、日米観光シンポジウムと北陸観光プロモーションイベントが米国・ロサンゼルスで行われた。米国最大の国際旅行博IPW開催の機会を活用し、日米観光交流年における日米相互の観光往来拡大に向け、日米官民の観光関係者による協議を実施した。
北陸観光イベントでは、北陸地域産の食や日本酒を提供し、福井県の観光プロモーションを行った。
髙橋長官は、「2国間でお互いに『呼ぶ』『行く』ことが大事となる。相互交流の拡大を米国側と連携して行っていきたい」と力を込めた。
□24年GWの混雑対策 鎌倉などで実証実験へ
観光庁は、2024年5月のゴールデンウイーク期間の国内旅行需要について、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会などの団体から聞き取り調査を行った。これによると、35%の宿泊施設は、昨年と同程度以上の利用者数があり、昨年と比べ9割以上と答えたのが30%、昨年と比べ9割未満と答えたのが35%となった。
髙橋長官は、「今年のGWは、休日3日・平日3日・休日4日という日並びになったため、昨年より長期休暇が取りにくく、客足が鈍った可能性があると聞いている」とした。
また、観光庁は、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」の先駆モデル地域型として、3月26日(火)に20地域を選定した。
このなかで、一部の先駆モデル地域ではGW期間中に実証実験を行った。
鎌倉・藤沢エリアでは、5月3(金)~4日(土)の午前10時から午後4時までの間、公共交通がとくに混雑する鎌倉駅から長谷駅エリア間において、地元商店街などを徒歩で巡りながら観光する実証実験を実施。鎌倉駅前でも、多言語ガイドによる観光案内や、江ノ島や鎌倉高校前駅など混雑エリアに誘導員を配置・増員する取り組みを行った。
髙橋長官は、「昨年のGW期間中は、乗車までに1時間を要していた駅でも、今年は最も混雑していた時間帯においても、30分程度で乗車できる状況だったと報告を受けている」と話した。