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「旧マッケンジー住宅」をカフェや式場に ノバレーゼ、25年春「HOMAM(ホマム)」開業

2024年5月17日
編集部:飯塚 小牧

2024年5月17日(金) 配信

旧マッケンジー住宅

 ブライダル事業を手掛けるノバレーゼ(荻野洋基社長、東京都中央区)はこのほど、静岡県静岡市から国登録有形文化財「旧マッケンジー住宅」とその周辺の管理・運営を受託した。住宅を含む約6300平米の敷地一帯を「HOMAM(ホマム)」と名付け、2025年春の開業を予定する。住宅ではカフェなどを営業し、敷地内にはレストラン棟とミュージックホール棟を新築し、結婚式に利用する計画だ。

 同社はブライダル・レストラン事業を通じ、歴史的資源や遊休地を活用した官民連携による観光まちづくりを推進、強化している。これまで大阪府大阪市と連携した歴史的洋館「旧桜宮公会堂」の結婚式場などへの再生実績があるほか、富山県富山市とは2026年の開業を目指し、市内の公園にレストランやイベントホールを備えたゲストハウスを設置する計画を進めている。

 同社は「今後も地域内の持続可能性を高める『ローカルSDGs』の構築に取り組み、観光需要の掘り起こしや雇用創出につなげ、地方創生に貢献する」としている。

「HOMAM(旧マッケンジー住宅)」

海側に新設するレストラン棟とミュージックホール棟イメージ

 旧マッケンジー住宅は1940年に竣工した名建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏の設計で、静岡茶の産業振興や静岡市の社会福祉向上に尽力した故マッケンジー夫妻の旧居宅として知られている。「ホマム」はペガサス座にある星の名称で「おもてなし」の意味を持つことから、夫妻がかつて邸宅の愛称として使っていたという。この夫妻の精神を今後も継承していく。

 今回、この建物は外観をそのまま保存する。館内は食堂や書斎、居間など既存の設備を生かしながらソファやラグなど最低限の家具を新たに設置する程度にとどめる。1階は各部屋をカフェラウンジとして一般開放する。2階は全体をマッケンジー夫妻やヴォーリズ氏、建物について学べる場として利用する。夫妻と市民の交流のようすを収めた写真や歴史情報などを展示するほか、ARやVRなどの最新技術を導入し、五感で体験できる仮想体験型の学習コンテンツも用意する。

 邸宅の芝生を挟んだ南側、海側には2階建てのレストラン棟と中2階のミュージックホール棟を新築する。現在、資材置き場になっている市有地などを整備して設置する。

 建物はどちらも海側を全面ガラス張りにし、駿河湾の海沿いに立つ眺望の良さを生かす。外観は赤い瓦の屋根と白い壁のスペイン風のデザインにまとめ、スパニッシュ風様式の邸宅との調和をはかる。

 レストラン棟の1階は旧マッケンジー邸の一室と地上の回廊で結び、レストラン棟2階はミュージックホール棟の中2階を回廊でつなぎ、新旧の建物間を行き来できるようにする。

 レストラン棟1階はカフェラウンジと地元の特産などを扱う物販売り場などを作り、誰でも利用可能にする。2階はイベントスペースで、最大収容人数は着席128人、立食200人。一般向けイベントや会議や宴会、パーティーなど貸切に対応する。土・日曜日、祝日は結婚式の披露宴会場として活用する。

 ミュージック棟は着席の収容は96人。ホール内には邸宅に現存するグランドピアノを置く。学校や市民の音楽発表会のほか、挙式会場としての利用を想定する。

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