1位は北海道と函館市、地域ブランドランキング
地域ブランドに関する調査とコンサルティングを行う「ブランド総合研究所」(田中章雄社長)はこのほど、国内1千市町村と47都道府県を対象とした認知度やイメージの調査、第10回「地域ブランド調査2015」の結果を発表した。都道府県の魅力度ランキング1位は北海道、市町村の魅力度1位は函館市。
都道府県部門で、北海道は7年連続1位。オリンピック開催で注目される東京都は順位を1つ上げ、3位となった。市町村部門で1位の函館市は、14年に続き2年連続1位。続く2位札幌市、3位京都市も順位をキープした。
同調査によると、3月の北陸新幹線開業効果について石川県と富山県に差が出ていると強調。北陸新幹線沿線地域は総じて、1年以内に同地域を見聞きしたことがあるかを示す「情報接触度」は上昇した。訪れてみたいかどうかの「観光意欲度」は富山県が47都道府県中28位(33・5点)から16位(35・7点)に、黒部市は1千市町村中62位(32・0点)から31位(34・5点)に、富山市は134位(26・0点)から76位(29・4点)にそれぞれ上昇した。一方で石川県は8位を維持したが点数が42・2点から40・9点に、金沢市は12位から7位に順位を上げたが、46・0点から45・8点に落ちるなど、点数の低下が若干見られた。
同研究所はこの結果から、石川県・金沢市については今回の情報接触度の上昇が観光意欲にはとくに結びついていないとし、その理由は新幹線開業以前から高い観光意欲・イメージが形成されていた可能性もあるとした。
来年6月にサミットの開催が決定した三重県と志摩市の「情報接触度」をはじめとする各指標が点数、順位とも上昇した。三重県の情報接触度は前年の33位(31・1点)から23位(35・4点)に、志摩市は132位(26・1点)から49位(33・6点)に大幅増。
「観光意欲度」については三重県が26位(33・9点)から20位(34・5点)に、志摩市は44位(34・5点)から18位(39・4点)に上昇した。このほかの「認知度」「魅力度」などの指標も点数・順位ともに上がった。伊勢市は13年の式年遷宮の影響で「情報接触度」をはじめとする各指標が微減した。「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界遺産登録され、軍艦島で人気の長崎県の各指標も上昇した。その他該当地域においては調査結果からは大きな変化は確認できなかったとした。
同調査は20―60代の消費者を男女別、年代別、地域別に同数回収し、年齢や地域人口の分布に合わせて再集計している。有効回収数は2万9046人、調査時期は6月24日―7月17日。調査項目は認知、訪問率、産品想起率など77項目。