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KNT-CTHD、新・中期計画を説明 地域共創と訪日を強化へ

2024年5月21日
編集部:長谷川 貴人

2024年5月21日(火) 配信

KNT-CTホールディングスの小山佳延専務

 KNT-CTホールディングス(米田昭正社長、東京都新宿区)は5月14日(火)に2024年3月期のIR説明会を開き、24~26年度の新・中期経営計画の詳細を説明した。「信頼回復と持続的成長に向けたグループ一体運営の強化」をテーマに掲げ、昨年の過大請求問題などからの信頼回復に向け、企業風土改革を継続。近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの事業運営基盤の一体化を進めるほか、地域共創、訪日事業を成長領域と定め、地域への誘客拡大をはかる。

 新・中期経営計画では、社会から認められる信頼づくりとして、信頼回復に向けた企業風土改革とサステナビリティの取り組みを推進する。成長を実現する領域づくりでは、事業戦略として事業ポートフォリオの再設計とBtoC事業の価値向上。成長を支えるインフラづくりとしては、人的資源の最大活用による人財戦略とグループ共通システムの整備によってIT・DX化を目指す。

 なかでも信頼回復に向けた企業風土改革では、再発防止策として実施してきた人(意識)、業務、組織の3つの改革を継続し、社会からの信頼を早期に回復するように努める。今後、社員意識調査やタウンホールミーティングの定期実施、KNT-CTアカデミーにおける社員教育を強化。このほか、管理職人材像・登用基準のグループ共通化によってジョブローテーションを促進し、リスク管理の実効性強化に取り組む。

 事業ポートフォリオの再設計では、地域共創事業と訪日事業を成長領域と定め、クラブツーリズムと近畿日本ツーリストの一体事業運営で主軸事業に育てると明かした。27年度以降の早期に売上高700億円、地域共創事業と訪日事業の合算で連結売上高の約20%程度(23年度は約8%程度)の押し上げを目指す。

 新社長に6月14日付で就任する同HDの小山佳延専務は「川上でITを駆使したプラットフォーマーではなく、川下で地域の人たちと一緒に課題を解決していく、地域商社のような存在になりたい。地域コミュニティの中で一緒に汗をかいていきたい」と語った。

 地域共創事業としては今後、地域コンテンツの開発や共創案件の創出を行うなど、モデル地域を設定し、KNT-CT独自の地域活性化モデルを構築する。一方、訪日事業では、テーマ型旅行の販売のほか、個人旅行市場、団体旅行市場での販売を拡大。地域共創事業との連携で地方誘客に注力し、地方への大きな流れを生み出していく。

 人財戦略では、人事制度のグループ共通化による人員配置の最適化、女性活躍(管理職登用)の推進と人財獲得力の強化によって要員構造の最適化をはかる。そして、教育機関であるKNT-CTアカデミーの活用で、人財の質を向上させる。

 IT・DX化に向けては、クラブツーリズムと近畿日本ツーリストの2社のデータベースを統合し、2社共用システムに再構築する。3カ年のシステム関連支出では、個人旅行事業が190億円、団体旅行事業が20億円、その他が90億円の計300億円を見込む。

 財務目標は、最終年度となる26年度の連結決算では、売上高が3300億円、営業利益が85億円、当期純利益が同80億円の達成を目指す。新・中計以降の長期目標は、売上高が3600億円、営業利益が120億円、当期純利益が90億円。資本政策の方向性として、小山専務は「不測の天災や社会情勢の激変などにも耐えうる資本の厚みとして、自己資本比率25%程度を維持しつつ、種類株式の償還を履行し、普通株式の早期復配を実現したい」とした。

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