長野県旅行業協会、近県支部と連携で広域振興へ 24年度通常総会開く
2024年5月30日(木) 配信
長野県旅行業協会(長崎義一理事長、167会員)は5月20日(月)、ホテル紅や(長野県・上諏訪温泉)で2024年度通常総会を開いた。今年度は近県支部との連携で広域観光の振興に加え、他県支部や長野県、市町村などとの連携をはかり、県内旅行業の発展に貢献する。
長崎理事長は多くの会員における国内旅行の売上は6割程度となっていることから「依然厳しい状況。時代に適用すれば、旅行業は夢のある業界になれる。県や他県支部と連携し、旅行業を発展させていくので、協力してほしい」と呼び掛けた。
同日には、協同組合長野県旅行業協会(三澤弘理事長、130会員)と長旅協協定会員連盟(風間秀一会長、78会員)のほか、3団体の合同総会が実施された。
協同組合長野県旅行業協会の三澤理事長は「旅行業のマーケットは少なくなるだろう。スケールメリットを狙うのでなく、商品に付加価値をつけることが、これからの旅行業の責務」と語った。さらに、「日本は約30年間、ほぼ給料が上がらず、実質賃金は減った。可処分所得が増えないと旅行に出掛けられない。旅行業界も給料を上げていくべき」と力を込めた。
今年度は募集型企画旅行2本と手配旅行1本を実施する。仕入れの効率化とコスト軽減をはかるため、共同仕入れの研究も行う。
長旅協協定会員連盟では、風間会長は関東近県の会員はコロナ前の8割程度まで戻っていることを報告。「団体の問い合わせは5月から増え、前年の2倍程度になっている。コロナ禍前を超えるには団体旅行が欠かせない」と強調。そのうえで、「団体旅行では客室の定員に満たない人数で宿泊することが増えている」現状を説明し、「定員以下では利益確保が難しい。ルームチャージでなく、定員分の宿泊料金をもらうことになっていく」との考え方を示した。
今年度は、多様化するニーズに応えるため、長野県旅行業協会との連携を密にし、一層の受け入れの確保をはかり、協定会員連盟の育成強化を促進する。
3団体の合同総会で、来賓の全国旅行業協会(ANTA)の北敏一副会長は、自身が石川県旅行業協会の会長だったことから「(今後)能登へ送客してほしい。皆様と復興に向けて頑張っていきたい」と話した。
また、「コロナ禍で借りた融資の返済が4月から始まった。会員への提言などを通じて貢献していきたい」と語った。