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大阪産・食ツアー開催 大東市で第1弾日帰り 大阪産・食のマイクロツーリズム推進協議会

2024年6月1日
関西支社:土橋 孝秀

2024年6月1日(土) 配信

御領地区で田舟体験

 大阪府内で生産される農林水産物や、それらを使った加工品を府が認証する「大阪産(もん)」を切り口に、マイクロツーリズムの確立を目指す「大阪産・食のマイクロツーリズム推進協議会」(原田彰子代表理事、大阪府大阪市)は5月18、19日の2日間、同府大東市でガストロノミー日帰りバスツアーを実施した。19日の2日目に参加し、その魅力を取材した。

【土橋 孝秀】

 同協議会は2021年10月、コロナ禍のなか大阪経済を「食」で盛り上げたいと発足した。大阪産の産地めぐりバスツアーの構想を進め、今回第1弾が実現した。ツアーは河内屋ネクストラベル(河内崇代表、大阪府門真市)との共同企画で実施した。

 約20人の満員となった2日目ツアーは、JR住道駅をマイクロバスで出発。まずは車で10分ほどのところにある、水郷の里・御領地区へ。ここは1960年代まで稲作や蓮根作りが盛んで、水路が網の目のように走り、運搬手段として農業用田舟が行き交っていたという。

 現在、ほとんどの水路は埋め立てられているが、一部の約290㍍が地域住民の努力によって、「御領せせらぎ水路」として保存され、そのうち約半分の区間で4―9月の第1・3日曜日に田舟体験を実施している。

 実際に乗ってみると、石垣を組んでその上に建物を建てる段蔵造りが間近に見え、水際に降りる際に使った階段が今も残っているのがよく分かる。人力で進む田舟に乗りながら、ものづくりのまち・大東の賑やかさとはまるで違う、のどかな雰囲気を感じた。

橋本さんがトマト栽培について説明

 続いて、同市唯一の専業農家であり、大阪産に認定されている「橋本ファミリーファーム」へ。ミニトマトを中心に、米や多品種の野菜を栽培している大規模農家だが、家族4人で経営しているというから驚きだ。ミニトマトを栽培する温室ハウスで、6代目の橋本嘉昭さんが迎えてくれた。30年ほど前、当時最先端技術と言われた水耕栽培をいち早く取り入れたミニトマトは看板商品。液肥を常に流すことで生育が良く、甘く瑞々しい食感になる。流れる水はタンクで循環させ、外部に排出させず、自然環境にも配慮する。

 6代目になってからは、地元スーパーなど販路を開拓し、トマト以外は全量直売している。市場に出すと相場で価格が決められてしまうからだ。お土産でミニトマトをもらった。「自分の野菜は自分で価格を決めて売る」との気骨ある話を聞いて味わうトマトは、よりおいしく感じた。

大阪産の特製弁当

 昼食は大阪産の食材を詰め込んだオリジナル弁当の予定だったが、2日目ツアーは関連食イベントが雨で中止になった影響で味わうことができなかった。初日は阪南市なにわ黒牛の希少部位「カイノミ」の焼肉をはじめ、前述の橋本さんのミニトマトを使ったマリネ、羽曳野市七彩ファームのズッキーニソテーなど盛りだくさんの内容だったという。

野崎観音を参拝

 午後は、野崎観音の通称で知られる慈眼寺と生駒山龍眼寺を訪問。慈眼寺では、その昔、大阪市内から同寺まで通う「のざきまいり」があり、屋形船で参拝に来る人と陸路で来る人とが罵り合う風習があった、と大東市観光ボランティアガイド「やまびこ」の高橋洋代表が教えてくれた。

 また、今回のツアーで大東市は岸和田市と肩を並べるほど、地車が盛んなところと知った。大東市の地車の特徴はその大きさ。岸和田は高さ約4㍍前後だが、大東のものは5㍍を超えるものもあるという。ちょうど、住道駅前の末広公園で、「だんじりフェスティバル2024」が行われ、4台の地車が集結し、迫力ある曳行を披露していた。

 協議会の原田代表は「2年半掛けてようやく実現しました。“遠くへ行かないバスツアー”がコンセプト。いつでも行ける近場に、大阪産の産地があり、そこで生産者との交流や収穫体験、そして歴史や文化再発見の旅が楽しめます」とし、「第2弾、第3弾を企画していきたい」と話していた。

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