日本ナショナルトラスト、地域対象に遺産守る仕組みの構築支援 新事業資金クラファンで募る
2024年6月3日(月) 配信
日本ナショナルトラスト(安富正文会長、東京都千代田区)は7月17日(水)まで、同会の保全のノウハウを生かしたサポートを地域に対して行う新たなサポート事業「地域遺産支援プログラム」の運営資金を募るため、クラウドファンディングを実施している。保全への活動資金や人材不足などで地域遺産が失われるケースがあるなか、地域が持続的に遺産を守ることができる仕組みを構築していく。
同会は約50年間、文化財などの観光資源を直接保有・管理。白川郷(岐阜県・白川村)の合掌造民家2棟の茅刈りなどを行い、公開してきた。SLと客車3両も所有し、一部を大井川鉄道で走行させている。
地域遺産支援プログラムでは、地域が自立的に保全できるよう、団体の組織基盤の強化や体制構築、計画作成などのソフト面のサポートを行う。9月から同プログラムの公募と選定を実施する。
集めた支援金はプログラムの運営に必要な経費のほか、情報発信や専門家の派遣などに充てられる。目標は1000万円。クラウドファンディングサイト「ready For」で受け付けている。なお、目標金額に達しない場合でも寄付金を受け取れるAll-in形式で行う。
リターンとして、5000円の寄付者には、同会で保護している旧安田楠雄邸庭園(東京都文京区)または駒井家住宅(京都府京都市)を選んだうえで入場できる招待券を贈る。30万円を寄付した人は、両資産と白川郷の合掌造民家のいずれか1つを貸し切りで利用できる。