海外通貨の決済と両替端末、「G Pay」、導入時のコストはゼロ
アクリーティブ(菅原猛社長)はこのほど、既存のレジに取り付けるだけで、海外の通貨での決済と両替ができる支援端末「G Pay」を開発した。導入時のコストはかからず、為替変動のリスクも同社が負担するため、小さな店舗でも手軽に始められるのが利点。
支援端末「G Pay」は、米ドルやユーロ、中国元など120カ国の通貨に対応しており、このなかから12カ国通貨を選んで設定できる。端末のなかには「通貨自動判別機能」と高精度の真贋鑑定を判定する「偽札鑑定機能」を搭載。また、投入された紙幣は端末内のカセットに入り、直接紙幣に触れられない構造になっているため、レジスタッフが責任を負うことはなく、万が一、カセットに偽札が混入しても同社が負担する。端末には毎日最新の為替レートを配信し、そのレートで同社が買い取りを確約するため為替リスクもない。
端末はレンタルで、費用は月に約1―2万円。利用に応じてインセンティブもあり、外貨利用が多ければレンタル費用をまかなうことも可能。徹底的に導入時の負担を軽減しているのが特徴だ。
決済の流れは、店舗側は商品をレジに打ち込み、その金額を日本円で端末に入力。顧客は顧客側の画面で自ら、日本語と英語、中国語、韓国語から言語選択後、レートとともに表示される通貨から利用したい通貨を選び、端末に紙幣を投入すると日本円でつり額が表示される。店舗側も表示されたつり銭を日本円でレジから支払うため、計算などの手間はない。カセットには約500枚の紙幣が投入でき、利用状況に応じて1―2週間に一度、そのまま送付すると約2週間で日本円に両替して送金される。
同社は数年前からインバウンドの取り組みを開始。そのなかで地方では両替できるところが少なく、クレジットカードも利用できない店舗が多い点に着目。社長室の小林洋史室長は「地方の土産店などはクレジットカード導入だけでも負担が大きい。両替機になると1ケタ違うほど高額だ。これらに比べ、G Payは決済のインフラとして導入のハードルは低い」と話す。端末は既存のレジとインターネットで接続するが、単体でも利用できるため「極端にいえば手打ちの計算をしているような駄菓子屋などでも導入できる」。また、決済では利用せずに、両替機として設置することも可能だ。
現在、大手小売店で導入が進んでいるほか、宿泊施設にも導入実績がある。グループ店であれば1施設でトライアル導入してから検討してもいい。小林室長は「海外のお客様は日本で自国通貨が使えるとは思っていないため、満足度は高い。これからインバウンドに取り組む地域でも呼び込むためのサービスになり得る」と売り込む。