旅館軒数4万1899軒、ピーク時の半数近くに(15年3月時点)
旅館軒数ピークの約半数に――。厚生労働省が11月5日に発表した2014年度「衛生行政報告」によると、14年度末現在の旅館営業件数は前年度比3・4%減の4万1899軒と1年間で1464軒減少し、1980年代に8万3226軒でピークとなった旅館軒数から半数近く減少した。一方、ホテル営業軒数は同0・7%増の9879軒と、70軒の増加となった。宿泊軒数(簡易宿泊施設、下宿含む)は前年度に比べ、621軒減少し7万8898軒だった。
「旅館減少・ホテル増加」が叫ばれるなか、今回の調査でもホテルは70軒増加した。一方、旅館軒数は前回の1381軒減少に対し、今回は1464軒の減少と、減少幅はさらに大きくなり、旅館減少の流れに歯止めがかからない状態だ。
客室数でみると、旅館は前年度比2万5252室減の71万19室となった。ホテルは同7377室増の83万4588室となり、ホテルと旅館の客室数の差は12万5千室近くと、依然としてその差は広がり続けている。
山小屋やユースホステル、カプセルホテルなどの簡易宿所は2万6349軒と前年度の2万5560軒から789軒増加した。下宿は771軒で前年度の787軒から16軒減少した。
都道府県別にみた旅館軒数は、静岡県が2857軒で最も多く、以下は(2)長野県(2426軒)(3)北海道(2391軒)(4)新潟県(2002軒)(5)三重県(1510軒)(6)福島県(1401軒)(7)山梨県(1298軒)(8)栃木県(1297軒)(9)千葉県(1203軒)(10)東京都(1194軒)。前年10位だった兵庫県に変わり、東京都が新たに10位となった。
トップ10位は前年度比ですべてマイナスとなった。一方、ホテル軒数の上位は(1)北海道(689軒)(2)東京都(675軒)(3)長野県(520軒)(4)兵庫県(421軒)(5)福岡県(393軒)(6)静岡県(376軒)(7)大阪府(371軒)(8)沖縄県(363軒)(9)埼玉県(362軒)(10)神奈川県(331軒)の順となった。
前年8位の沖縄県と9位の埼玉県の順位が入れ替わったほか、トップ10は東京都、静岡県、大阪府を除き増加した。
政令指定都市の旅館軒数は、京都市が380軒と最も多く、以下は(2)大阪市(377軒)(3)名古屋市(251軒)(4)熊本市(188軒)(5)浜松市(179軒)。
一方ホテル軒数は、(1)大阪市(297軒)(2)札幌市(174軒)(3)福岡市(167軒)(4)京都市(162軒)(5)仙台市・横浜市(134軒)の順となった。