NHK25年秋の朝ドラ「ばけばけ」、小泉セツをモデルに島根県など舞台
2024年6月13日(木)配信
NHKは12日(水)、2025年秋スタートの連続テレビ小説を「ばけばけ」に決定したと発表した。怪奇文学作品集「怪談」などで知られる明治時代の作家小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻、小泉セツをモデルにする。
物語はセツの出身地でハーンと出会った島根県から始まり、ヒロインの人生が進むにつれて舞台は熊本などに移り変わる。ときは急速に近代化が進む明治の日本。暮らしや価値観が大きく変わるなか、夫婦が愛した「怪談」など人々の心の物語にスポットを当てるという。
大阪放送局が制作し、25年春クランクインの予定。原作がないオリジナル作品で、セツをモデルとするが、生涯を大胆に再構成しフィクションとして描く。
脚本を担当するふじきみつ彦氏は「何も起きない物語を書いています。セツさんは特別なことを成し遂げたりとてつもない夢を叶えたりした人ではありません。何気ない日常を送った普通の人かもしれません。そんな光でも影でもない部分に光を当てたいです」とコメントしている。
セツは松江藩家臣の小泉家の次女として生まれ、没落した家を支えるため11歳から織子として働く。22歳のとき、松江に英語教師として赴任してきたハーンのもとで働くようになり、当時珍しかった国際結婚をする。再話文学の語り手としてハーンの著作に大きく貢献した。
ハーンはギリシャ生まれのアイルランド人(英国籍)。ジャーナリストとして米国で活動するなか、日本文化や英訳「古事記」に魅了され、1890年に来日。セツと結婚後、日本に帰化し、小泉八雲を名乗る。「怪談」「知られぬ日本の面影」など、日本の古来文化を記した著作は今も高い評価を受ける。