京都府観光連盟 「観光の分散化を」 府内全域への商品開発へ
2024年7月1日(月) 配信
京都府観光連盟(会長=田中誠二・大和学園理事長)は6月14日、京都市内のホテルで2024年度通常総会を開いた。
田中会長は「新型コロナ5類移行から1年。京都府内も多くの観光客にお越しいただき、各地でにぎわいが戻ってきたが、一方でオーバーツーリズムや人手不足、エネルギー高騰など、観光事業者を圧迫する問題も起こっている」とし、「とくに、オーバーツーリズムについては、解決すべき大きな課題。府や京都市と連携し、府内に点在する魅力ある観光資源に光を当て、観光客を分散化させていきたい」と述べた。
具体的には、府内を「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」「竹の里・乙訓」の4エリアに分け、各エリアならではの資源を生かした観光コンテンツの開発や周遊環境の実現に取り組む京都府の「もうひとつの京都」プロジェクトと、京都市内の伏見、大原、高雄、山科、西京、京北の6つのエリアと、その周辺スポットに焦点を当て、隠れた魅力や新たな観光情報を発信する京都市の「とっておきの京都」プロジェクトの2大プロジェクトとの連携を強め、魅力ある商品を開発。周遊性も高めて、府内全域への誘客をはかる。
京都府によると、2022年の京都市を除く京都府域観光入込客数は、前年比34・0%増の約2307万人、観光消費額は同38・1%増の988億円と、コロナ前と同等に回復してきている。府では、25年の京都府域の観光消費額を、コロナ前の19年と同水準の1兆3千億円に戻したい考え。
目標達成に向け、来年開幕の大阪・関西万博に合わせて「和食と世界の食サミット」を開催するほか、府内各所を流れる川にスポットを当てた「京都川巡り」など、府内のさまざまな魅力を発信する各種事業を展開。データと科学的根拠に基づいた観光振興の促進にも取り組んでいく。
【塩野 俊誉】