全国旅行業協会、旅行業の復活柱に据える 旅行取扱管理試験パソコンで実施へ
2024年7月3日(水) 配信
全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長、5374会員)は6月27日(木)、東京都内で2024年度定時総会を開いた。今年度は旅行業界の完全復活を柱に据え、事業に取り組む。国内旅行業務取扱管理者試験について、自然災害で受験できないほか、試験会場が遠方となった際に金銭的負担が大きくなることを踏まえ、パソコンで行うCBT試験に変更する。
二階会長は「持続可能な地方の発展に観光は不可欠。会員は地方に誘客するよう努力しなければならない。5400社の会員が一致団結して前進したい」と会員を鼓舞した。
さらに、「どこの市町村でも観光を語らない人はいない。観光を盛んにしたい気持ちは我われと同じ。各地域で観光のあり方を相談してほしい」と強調。そのうえで、「(新しい事業を行うための)予算が足りないなどの声を聞くが、大いに発展できるよう一つの歴史を作るくらいの気概で頑張ろう」と会員の奮起に期待を寄せた。
来賓の観光庁の髙橋一郎長官(当時)は「日本全国の地域観光資源の魅力はこんなものではない。より地方の魅力が花開けば、観光は限りなく伸びていく」と地方誘客の重要性を語った。「地方への誘客には資源発見と磨き上げが必要。地域を熟知するANTAの役割が今ほど大きいときはない。先頭に立って着地型をはじめとした観光を伸ばしてほしい」と呼び掛けた。
また、2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるため、「ユニバーサルツーリズムをより推進していく。(ANTA会員が)旅行を諦めていた人に旅の喜びを届けてもらえるよう努めていく」と観光庁の方針を述べた。
今年度は旅行業界の完全復活に向けて、25年1月に第19回国内観光活性化フォーラムin東京を開催。島嶼部を含む東京への送客をさらに促進し、国内観光需要回復の起爆剤にしていく。
国際観光交流については、近隣諸国とASEAN諸国を中心に、2国間の双方向交流の活性化に努める。
その後懇親会が開かれ、小池百合子東京都知事が登壇し、25年に東京都で世界陸上と聴覚障害者のための世界規模のスポーツ大会デフリンピックが開催されることを紹介。20年の東京オリンピック・パラリンピックが新型コロナウイルスの拡大によって無観客で行われたため「溢れんばかりの観客が東京で観戦し、地方にも訪れる流れを皆様とつくりたい」と話した。
その後、浅子和世埼玉県旅行業協会会長の掛け声のもと、出席者全員が東京都知事選挙に立候補している小池氏へ「頑張ろうコール」を行い、エールを送った。