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NAA田村社長、3つのターミナルを集約へ 国交省航空局長に新しい空港構想報告

2024年7月5日
編集部:木下 裕斗

2024年7月5日(金) 配信

平岡成哲航空局長(左)と田村明比古社長

 成田国際空港(NAA)の田村明比古社長は7月3日(水)、国土交通省を訪れ、平岡成哲航空局長に3つのターミナルの集約化などをまとめた「新しい成田空港」構想を報告した。同構想をベースとして、早期に国や関係事業者とより具体的な検討を進めていく。

 「新しい成田空港」構想は、2029年に3本目の滑走路が新設され、発着回数が現在の年間34万回から50万回に増加し、旅客も5700万人から7500万人へ増えるため、大幅な受入能力の向上が必要不可欠となることから、22年10月から学識経験者と千葉県、地元自治体を委員とする検討会が作成した。韓国・仁川空港や香港空港など、東アジアの主要空港に劣らない施設を建設していく。

 具体的に新しいターミナルは、乗継を同一ターミナルで完結することで、国の基幹インフラとしての機能を向上させる。さらに、災害やパンデミックなどのイレギュラー時、需要に応じて一部ターミナルの運用を制限し、一部に集中することで高効率化をはかる。太陽光発電設備の導入などで脱炭素化によるサスティナブルな社会の実現も目指す。20年代に工事を開始。既存のターミナルを運用しながら、30年代前半から段階的に供用を始め、40年代にすべてがオープンする。

 これに伴い、鉄道駅も移設する方針を盛り込んだ。現在のホームは狭く、大きな荷物を持った訪日外国人客で混雑している。このため、新ターミナルと別棟とすることで十分なスペースを確保する。滑走路の完成で増える旅客に向けた輸送力増強については、成田空港駅を走るJR線と京成アクセス線のダイヤが過密で列車の増発が難しいことを受け、空港付近にある両線の約9㌔の単線区間の解消を目指す。

 さらに、周辺道路は旅客と貨物、従業員動線が混在し、分かりにくく、平面交差点の影響でアクセスに時間が掛かっていることを踏まえ、周回型のわかりやすく速達性の高い道路に再編する。

 発着回数の増加によって人材獲得が必要となることを見越し、働く人と家族を含めた快適で住みやすい生活環境も整えていく。

 報告書を受け取った平岡局長は「しっかり連携して、一緒に取り組みたい」と応えた。

 田村社長は報告後、報道陣の取材に応じ、「空港には多くの関係者が関わっており、実現には多大な努力とエネルギーがいる。早急に議論を深めたい」と方針を示した。

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