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新潟県の「嵐渓荘」で2024年リョケン事例研究セミナー開く 継続的なブランドづくりなど学ぶ

2024年7月10日
編集部:増田 剛

2024年7月10日(水) 配信

佐野洋一リョケン社長

 リョケン(佐野洋一社長、静岡県熱海市)は7月8(月)~9日(火)の2日間、新潟県・越後長野温泉の「妙湶和樂 嵐渓荘」(大竹啓五社長)で、2024年リョケン事例研究セミナーを開いた。継続的に商品整備や、ブランドづくりに取り組んできた旅館の事例を学びながら、自館経営の重点課題の解決策を見出そうと、全国から旅館の経営者や幹部らが参加した。

 冒頭、佐野社長は「今、宿が考えておきたいこと、やっていくべきことは『ターゲット客層の再定義』」とし、「これからどんな客層が見込めるか、どんな客層を相手に商売していくか、営業戦略の1つとして考えていくテーマ」と述べた。

 さらに「『新・勝ちモデル』の探求が必要」として、「『当館はこの仕組みによって勝つ』という独自価値を組み入れること」の重要性を語った。

妙湶和樂「嵐渓荘」の大竹啓五社長

 参加者はセミナー会場の嵐渓荘の館内を視察。その後「独自性を生むブランドづくり~地域資源と自然環境を活かした経営」をテーマに、大竹社長が登壇した。

 嵐渓荘はおよそ100年前に創業者が温泉源泉を掘削し、温泉療養施設として営業を開始。戦後まもなく駅前料亭の建物を移築し、観光旅館として再スタートした。移築した本館「緑風館」は、国登録有形文化財にも指定されている。 

 客室は全16室、温泉は日本屈指の濃厚な強食塩冷鉱泉で、昆布ダシのような味わいの源泉で炊く朝食の温泉粥が人気という。「日本秘湯を守る会」や「日本味の宿」など理念が合い、自館のブランド価値を高めるグループにも加盟している。

 22年には最も収益率の低かった客室棟「旧:りんどう」を改修し、「翠悠館」にリニューアルすると客室単価が上がり、宿全体の単価も大きく上昇したという。

 現在、60歳以上の平日限定お得プランなどを展開しているが、大竹社長は「将来の宿経営を考えると、来館率の比較的低い30~40代以下の層をターゲットに割引プランを提供した方がいいのではないかと検討している」と話した。

 ものづくりの街・燕三条や、自然豊かな周辺環境を生かしたさまざまな滞在プランや体験プログラムなども紹介した。

 2日目は、「食べるお宿 浜の湯」(静岡県・稲取温泉)の「成長を続ける繁盛旅館の経営戦略」、「佳翠苑皆美」(島根県・玉造温泉)の「さらなるブランド化に向けた取り組み」、「木造りの宿 橋津屋」(鳥取県・三朝温泉)の「学びかつ行う者は成功する 商品力強化と収益力強化の継続」をテーマに、リョケンの木村臣男会長や研究員が各施設の取り組みを説明した。

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