過去最高の3058万人に、国内旅行の意欲高く(JTB15―16年 年末年始旅行動向)
JTBはこのほど、年末年始(2015年12月23日―16年1月3日)に1泊以上の旅行に出かける人の旅行動向を発表した。これによると、国内旅行者数が前年同期比0・3%増の2996万人と過去最高が予測され、年末年始の旅行も国内旅行への意欲は高く、総旅行人数は過去最高の3058万8千人(同0・2%増)にのぼると推計した。
一方、海外旅行者数については、国際情勢不安などから同4・3%減の62万8千人と減少する見通しだ。
JTB総合研究所が今年3月に行った「国内旅行についての考え方の変化」の調査によると、「泊まってみたいと思える宿泊施設が増えた(39・6%)」、「乗ってみたいと思える観光列車や新幹線などが増えた(25・6%)」という意見が多いなか、「訪日旅行者の増加がきっかけで日本の良さを再認識するようになった(8・5%)」という意見もあり、訪日外国人の増加が、少なからず日本人が国内旅行に目を向けるきっかけになっていると言える。
アンケート調査から旅行の交通手段をみると、「乗用車」が前年同期比1・5ポイント増の69・0%と最も多く、鉄道は「新幹線」が同2・6ポイント減の12・7%、「JR在来線・私鉄」が同3・9ポイント減の10・1%となった。
また、宿泊場所については「旅館」「ホテル」「民宿」「ペンション」を合わせると同6・8ポイント増の44・9%で、「実家」と回答した割合は同0・7%減の47・5%となった。
国内旅行は3泊4日の旅行が増加。今年は実家への帰省だけではなく、お金をかけてホテルや旅館での宿泊を楽しむ、ふるさと旅行券を有効に使うなど、少し贅沢な旅行を予定している人が多くみられる。出発日のピークは12月31日の見込みで、方面別では新幹線開業効果が根強い「北陸方面」や、海外の著名なガイドブックで2年連続1位になった京都を含む近畿方面も人気が高くなっている。
海外旅行は円安の影響や、日並びの関係で長期の旅行に行きにくいことから、海外旅行平均費用は同2・3%減の21万7千円と減少を予想している。出発日のピークは、ヨーロッパなど長距離方面は23日、アジアなどの近距離方面は29日と30日。帰国日のピークは1月2、3日になる見込みで、方面別では台湾やハワイが引き続き好調で、昨年デモがあり旅行者数が減少した香港も増加に転じた。
同調査は、航空会社予約状況と業界動向、同社グループの販売状況、1200人へのアンケートから推計。アンケート調査は11月3―15日に、全国200地点の15―79歳までの男女を対象に実施した。