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日本の旅の良さ語る、日本旅行記者クラブ50周年

シンポジウムのようす
シンポジウムのようす

 日本旅行記者クラブ(神崎公一代表幹事)は11月19日に、東京都内のホテルで同クラブの創立50周年を記念したシンポジウムと交流会を開いた。シンポジウムでは「日本人が気づかない日本の旅のすばらしさ」と題し、パネリストとして日中コミュニケーション取締役の可越氏、鬼怒川グランドホテル夢の季代表取締役社長でビジットジャパン大使の波木恵美氏、JHNトラベル代表取締役社長でHAKUBA RESORT INVESTMENTS代表取締役社長のケビン・モラード氏の3人が登壇。ダイヤモンド・ビッグ社代表取締役社長の藤岡比左志氏がコーディネーターを務め、議論を展開した。

 冒頭、藤岡氏から今年の訪日外国人旅行者数はすでに1500万人を突破し、目標の2千万人に届く勢いであるとの報告がなされ、それを踏まえたうえで「日本人が気づかない日本の良さ」について議題が与えられた。この議題に対し可氏は、「日本人が気づかない日本の魅力は『日本人』である」と述べ、日本の職人が作る商品の品質はとても良く、円安になると品質の良いものが安く手に入るため、中国人旅行者による「爆買い」が起きていると語った。

 ケビン氏は日本の雪質と建造物の素晴らしさを挙げ、とくに建造物について「海外では100年前の建物で非常に古く歴史があるとされるが、京都に行くと、1千年前の建物が残っている。本当に信じられないくらい素晴らしい」と称えた。

 波木氏は、日光・鬼怒川を訪れる外国人観光客に向けたプロモーションに変化を加えたことを報告。以前は日光東照宮など名所をPRしてきたが、近年「周遊」を意識し、あしかがフラワーパークの〝藤〟を前面的に売り出す方法に切り替えた。その結果、同施設を訪れる外国人観光客の数は、3千人から5万人へと急増した。波木氏は「藤の花1つにしても、それを守るための日本の技術力と、やさしさを感じることができる」とし、外国人観光客は、花や果物などのキーワードの裏側にある、日本の技術や伝統などに魅力を感じていると伝えた。

 また、「日本に足りないところ」に関する議題では、パネリスト3人がそれぞれ「受入態勢」「危機管理」「発信力」などを挙げ、なかでも日本の情報発信力は海外に比べるとまだ弱く、今後は相手を理解したうえで、PR方法をその都度変えていくことが重要であるとまとめた。

 シンポジウム後の交流会には、多くの人が出席し同クラブの50周年を祝った。

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