23年度ふるさと納税は「共助」 体験型返礼品も定着(ふるさとチョイス)
2024年7月18日(木) 配信
ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(川村憲一社長、東京都渋谷区)は7月17日(水)に東京都内で会見を開き、2023年度の総括と今後のふるさと納税について川村社長が見解を語った。23年度は「共助」がキーワードだったとし、漁業や災害支援の寄付が増加したことに触れた。このほか、新たなスタンダードとして、体験型の返礼品が定着したことにも言及した。
会見のなかで川村社長は、トラストバンク地域創生ラボが24年4月にふるさと納税経験がある全国の寄付者(1095人)を対象に実施した「旅行とふるさと納税に関する調査」を紹介。このなかで、旅先で利用できる返礼品について既知の有無を聞いたところ、「旅館・ホテルの宿泊券」は「よく知っている」が30・0%、「聞いたことはあるがよく知らない」が51・2%となった。
また、「現地でのアクティビティなどの体験チケット」は「よく知っている」が35・3%、「聞いたことはあるがよく知らない」が46・0%、旅先での食事などに使える「電子ポイント・商品券」は「よく知っている」が32・9%、「聞いたことはあるがよく知らない」が40・4%だった。
川村社長は「トレンドとして、地域の関係、交流人口創出に役立つコト・トキ消費の返礼品が伸びてきており、コロナ前の約2倍となっている。体験型は実際に現地を訪れるため、ふるさと納税以外にも消費があり、地域活性化の手段として有効だ」と体験型返礼品を評価。このうえで、「前述の調査で、『知っている』は約3割だったが、これが4割5割と伸びれば可能性がもっと広がってくる」と期待した。
ふるさと納税の今後については、「100億円に満たなかったふるさと納税が23年度は1兆円の大台を超えると言われている。このタイミングで、ふるさと納税による寄付金の使い道を再度よく考えていくことが重要だ」と強調。同社は今後、これまで以上に使い道にフォーカスし、返礼品の「お礼」だけではない価値の追求を行っていくとした。
ふるさと納税は地域のファンづくりにつながる制度であることを述べたうえで、「賛否両論あるが、ふるさと納税により大きく変化した例が全国にはたくさんある。今後もふるさと納税が地域を元気にする制度として、発展できるように努力していきたい」と意気込んだ。