JNTO、「地方も回復傾向に」 24年3~4月の宿泊者数が19年同期超え
2024年7月30日(火) 配信
日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)は7月24日(水)に開いた会見で、6月の訪日外客数が314万人と、単月として最高だったことを報告した。1~6月の上半期では1778万人で、最多を記録した2019年同期を100万人以上超えた。さらに、地方部への延べ宿泊数は23年11~12月と24年3~4月に19年同期を上回ったため、出口まきゆ理事は「地方も回復傾向に入った」との見方を示した。
エリア別外客数の傾向を見ると、米州・豪州が19年同期比44%増でトップ。次いで、欧州22%増、東アジア同17%増、東南アジア同14%増と続いた。
さらに、1~4月の地方部における国籍別宿泊者数は、欧米豪やインド、シンガポールなどが19年同期を超えた。
出口理事は「コロナ禍前に地方への宿泊者数の多かった東アジア市場は、需要の戻りが遅れていたが、回復傾向となった」と述べた。
こうしたなか、より地域へ誘客を促進しようと、JNTOは海外事務所職員による日本各地の観光資源の体験を通じて、観光コンテンツの磨き上げに関わるアドバイスを実施している。6~8月にかけて全国10地域の視察を実施中で、各地で研修会も開催し、視察内容を踏まえたフィードバックも行う。
□MICEプロモ実施 件数世界5位以内へ
政府は23年5月、閣僚会議で国際会議の件数をアジアナンバーワンの開催国として不動の地位を築き、世界5位以内を目指す「新時代のインバウンドアクションプラン」を決定。滞在地での消費額の大きさや、周辺へのエクスカーションなど高い経済波及効果が見込まれるため、力を入れて誘致していきたい考えだ。
2023年の実施回数は363件で、アジア最多。世界では7位。5位のドイツとは100件の差が開いている。
これを受け、JNTOは将来的に国際会議誘致の中心人物になり得る大学教授や若手研究者に、日本での国際会議に関する興味関心を喚起し、開催意義を広く周知するため、BSテレ東でプロモーション番組を制作していく。
具体的には、8月に京都府で行われる国際昆虫学会のようすをまとめるほか、生物学者の福岡伸一氏や、京都大学名誉教授でJNTO MICEアンバサダーの沼田英治氏などが学術や産業、行政に与えるメリットを議論する。番組は9~11月に放送される。ユーチューブやJNTOのホームページにも載せる。