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田村観光庁長官「光と影が見えた年」、16年は産業育成に注力

2016年1月1日
編集部

 観光庁の田村明比古長官は2015年12月15日に開いた会見で、就任初年である昨年の所感と、16年への期待や課題を語った。15年を「光と影が見えた年」と評し、16年は観光産業の育成の強化を目標に挙げた。

 田村長官は9月に観光庁長官に着任してからの訪日動向について、「外国人の旅行消費額はおそらく3兆円を超える規模になり、自動車部品と肩を並べるほどの輸出産業になってきた。今年は記憶に残る年になる」と、観光産業が経済に大きな影響を与えるようになったことを高く評価した。

 一方で、「訪日客の急増で次のステップに進むために解決しなければならない課題も山積していることがはっきりと見えてきた。光と影の両方が見えるようになった年でもある」とも述べた。

 16年に向けては、観光産業の育成強化にとくに力を入れることを強調した。宿泊面では「訪日対応が遅れている施設も多く、我われがどういう支援ができるのか、また生産性の向上や、従業員の処遇の改善の実現性についても考えなければならない」と語った。

 また、旅行業界に対しては、「多くの企業がアウトバウンド一辺倒で成り立つビジネスモデルなので、インバウンドにも対応できる環境の構築も考える必要がある」と述べ、裾野の広い観光産業が観光地で有機的に連携できる体制を構築することが課題だとした。

 国内旅行動向については、14年の消費税増税の影響からの回復で、著しく国内旅行市場が伸長している状況ではないと説明した。

 国内の今後については、「全体に占める国内旅行の割合はきわめて大きいので、来年も増加するよう施策を考えていかなければならない」と答えた。

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