「ホテル郡上八幡」が自己破産申請へ 負債は約5億6000万円(帝国データバンク調べ)
2024年8月8日(木) 配信
千虎観光(中島規夫社長、岐阜県郡上市)は8月1日(木)までに事業を停止し、弁護士に一任、自己破産申請の準備に入った。帝国データバンクによると、負債は約5億6000万円。
同社は1972(昭和47)年9月創業の千虎観光の事業を継承し、2008(平成20)年5月に設立されたホテル運営業者。前身企業がオープンさせた「ホテル郡上八幡」は客室49室で、宴会場やホールも完備。最大約300人を収容し、観光客やスキー客が主な利用者だった。
ドライブインレストランなども運営し、地元では高い知名度を有していた。しかし、「温泉設備などへの積極的な設備投資のために金融債務が増加していたうえ、96年の東海北陸自動車道の開通で団体客が減少し、業績が悪化。事態を打開すべく同社が事業を受け継いだ経緯がある」(帝国データバンク)。
その後は、不採算部門の縮小などに取り組み、2011年2月期には年間収入高約8億円を計上していた。
インバウンド需要の取り込みなども進めたものの集客は伸び悩み、収益性は低迷。20年以降はコロナ禍の影響で観光需要が減少し、24年2月期の年間収入高は約3億5千万円に落ち込んでいた。8月1日に自社ホームページやSNSで営業停止の旨をリリースしていた。