「ココヘリ」富士山で実証実験 登山者へ約1500端末を配布
2024年8月13日(火)配信
山や海での行方不明者の位置を特定する捜索サービス「ココヘリ」を運営するAUTHENTIC JAPAN(久我一総社長、福岡県福岡市)は、7月1日(月)から登山規制を開始した富士山の吉田ルート(山梨県)で、ココヘリ端末(発信機)を用いて登山者の位置情報を人流データとして活用する実証実験を行っている。同社は8月9日(金)、実証実験を始めて1カ月間で、ココヘリ端末の登山者への無償貸出数が約1500個を突破したと発表した。
今回の実証実験では、登山者の登山速度や滞留状況などの人流データを、日別、時間帯別の把握に取り組んでいる。このため、吉田ルートを通る登山者にココヘリの端末を無償貸出、富士山五合目から山頂までのエリア内にいる登山者の位置情報を、ココヘリのGPSを用いて取得する。実施期間は9月10日(火)までの72日間。期間中、さらなる配布を予定している。
山梨県は7月1日(月)から、午後4:00~午前3:00までの間、あるいは1日の登山者が4000人を超えた場合に登山規制を行っている。山梨県富士吉田市の発表によると、7月は1カ月の登山者数が前年同月から約16%減の約5.9万人、1日当たりの登山者数の最多も2864人と、登山者数は減少。さらに、夜間の弾丸登山者数は大幅に減少したことで、規制の効果が着実に現れているとみてとれる。
今回の実証実験により得られたデータを基に、登山者が密集する箇所や時間など、問題点の把握を山梨県と共同で行う予定。また、登山道が混雑するなどの問題を抱える他の山においても、同様の実証実験の可能性を検討していくとした。