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「津田令子のにっぽん風土記(110)」南伊豆ならではの魅力を~ 静岡県・南伊豆町編 ~

2024年9月14日(土) 配信

人気の海鮮丼
伊豆の味おか田 2代目店主 岡田 正司さん

 金目鯛の煮付けで高い人気を誇る「伊豆の味おか田」の岡田正司さんに、晩夏から初秋にかけての南伊豆の魅力を伺った。

 美しい海と山、温暖な気候に恵まれた南伊豆湊に創業1985年の郷土割烹料理店「おか田」はある。お父様の時代から新鮮な魚料理を出す店として地元の方々からはもちろん、多くの観光客から愛され続けてきている。

 2代目店主の岡田正司さんは、コロナ禍にあっても「一人でも多くの方々に自慢の金目鯛の煮付けを食べていただきたい」との思いから、金目鯛の煮付けセットお取り寄せ便の販売を開始した。その後、日本一高いコロッケ(伊豆地方で獲れる世界最大のカニ・タカアシガニのカニ身をふんだんに使ったカニコロッケ)も加わり、売上も好調という。

 「夏場は、海鮮丼を召し上がる方が多いですね」と岡田さん。たっぷりご飯の上にマグロ、イカ、エビ、釜揚げしらす、ほかには白身魚などその日のおすすめの海鮮がドバっとのっている。「僕は皆さんが『美味しい』『また来ますね』って言ってくれるだけで満足なんですよ」と話す。

 南伊豆町は、伊豆半島の最南端に位置する。はるか大昔に海底火山の噴火によって陸地ができた。そして隆起しできた島が長い年月をかけて移動し、本州にぶつかり伊豆半島となった。

 岡田さんは「(本州でありながら)南伊豆でリゾートアイランドを感じてほしい。ここへ来たら独特の地形と地質が作り出すこのエリアならではの魅力を満喫していただきたいですね」と語る。

 「1㌔におよぶ美しい海岸線が続く弓ヶ浜は、青い空に白い砂浜が広がっています。航路を照らす神子元島の灯台が浮かび上がり、さらにその向こうには伊豆七島の島影を望むことができます」。ここは日本の渚百選に選定されていて波が穏やかで遠浅なビーチとして人気がある。

 「もう一つおすすめは、ヒリゾ浜です」と教えてくれた。抜群の透明度と魚影の濃さを誇る秘境の浜で、期間限定(7月1日~9月30日の予定)の渡し船でしか行くことができず、手つかずの美しい自然が残っている。黒潮の通り道のため、南国のカラフルな魚や大物など、多種多様の生き物を見ることもでき、国内屈指のダイビング・シュノーケリングフィールドとしても大人気という。「水の透明度は抜群で全国的にも有名です。今、最も注目されている美しい浜のひとつだと思います」と南伊豆自慢を語る岡田さんの笑顔が印象に残る。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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