“相互交流通じて学ぶ”、IT化戦略など業種超えて
サービス・イノベーターズ・フォーラム2015開く
サービス産業革新推進機構(内藤耕代表理事)は15年11月27、28日の2日間、東京都・秋葉原で「サービス・イノベーターズ・フォーラム2015―21世紀に求められるサービス産業の像」を開いた。現場の改革を通じて、サービス・イノベーションを目指す企業の経営者や現場の実務者が相互交流と学びの場として毎年開催しているが、内藤氏は冒頭、「参加者同士の相互訪問や交流が活発化している。交流を通じて学んでいくことを大事にしていきたい」と強調した。
今回は「中小サービス企業のサービス・プロセスの標準化とIT化戦略」をテーマに、医療法人北星会の島野雄実氏らが講演。島野氏は「医療業界では告知は可能だが、広告は不可など差別化が困難な状況にあるなか、サービスに特化した」とし、とくにIT化に力を入れ、インターネットでの診察時間の予約・問診を可能にするなど待ち時間を短縮させることで、小さな子供を持つ親などに好評を得ていった事例などを紹介した。一方、内藤氏は「ITの強みは情報のスピードと思われがちだが、最大の強みは情報が劣化しないこと」など、情報伝達の正確性などを指摘した。
「これからのサービス企業経営の新潮流」では、酒商山田の山田淳仁氏や滋賀県・おごと温泉「湯元舘」の針谷了氏が講演。山田氏は日本酒の売り方として(1)売れ筋商品を売らない(2)価格競争をしない(3)小さな単位で売る(小口多数)――などと決め、お客や仕入先へのアドバイザーサービスで支持を得たことなどを紹介した。針谷氏は「現状の改革・改善を社風にしていくべき」とし、自館でのさまざまな現場の改善例を説明した。
「サービス企業の仕組み化とグローバル展開」では、無印良品名誉顧問の松井忠三氏が「小さな改善の積み重ねしか進歩することができない」など、豊富な経験から得た経営哲学を語った。