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【特集 No.660】伊予鉄グループの働き方改革 業界の先陣を切る「多様な選択肢」を

2024年8月31日
編集部:長谷川 貴人

2024年8月31日(土) 配信

 伊予鉄バスや伊予鉄鉄道などを傘下に置く伊予鉄グループ(清水一郎社長、愛媛県松山市)は、2023年10月から毎週土日に加え、水曜も休日とする「完全週休3日制」に完全移行した。伊予鉄バスや伊予鉄鉄道においても、多様な働き方ができるように選択肢を設けるなど働き方改革を進めている。慢性的な人手不足の解消に向けて、業界の先陣を切る伊予鉄グループ取締役総務本部長の藤田正仁氏と、伊予鉄バス取締役自動車部長の中川智之氏に話を聞いた。

【長谷川 貴人】

休日数8%増、平均7%賃上げ実現

伊予鉄グループ取締役総務本部長の藤田正仁氏(左)、伊予鉄バス取締役自動車部長の中川智之氏

 ――伊予鉄グループは完全週休3日制へ完全移行されました。

 藤田 完全週休3日制の導入は、コロナ禍に時差出勤もやりやすいように、2020年10月からコアタイムがあるフレックスタイム制度を導入したことがきっかけです。このときにさらに多様な働き方ができる仕組みをつくっていきたいと考え、候補の1つだった完全週休3日制を検討し、23年10月から導入しました。

 人手不足という社会問題があるなかで、いかに魅力的な企業なのか、就職活動中の人が企業を測る一つの物差しになっていると思います。完全週休3日制によって余暇が増えたり、趣味の時間や資格取得の勉強時間に充てたりできることが、企業の魅力を高める一因になるということです。勉強時間に充てるのも一つですし、旅行に出掛けて知見を広げるなど自分自身を高めていく時間に使ってもらいたいです。

 中川 完全週休3日制の導入前から業務に役立つ資格取得に対して、参考書代などの実費や受験料を補助する支援制度を設けています。さらに、以前までは合格すると祝金を支給してきましたが、今年度からは年末のたびに資格を取っている人へ支給される継続的な手当に変更しました。

 完全週休3日制を導入してから資格取得の勉強時間が確保しやすくなり、休みとなった平日に専門学校へ通えるようになったという声もいただいています。

 藤田 新卒採用はもちろん、今までの就業体験や経験を生かしてもらえるキャリア採用も力を入れています。完全週休3日制が、将来の幹部や役員候補になりうる総合職や、専門性を生かす一般職として働きたい人の目に留まる要素の一つになるのではないかと思います。

グループ本社ビルオフィスを働きやすい環境にリニューアル

 ――完全週休3日制はグループ傘下の事業会社も導入されていますか。

 中川 グループ本社と異なり、週休3日制を選択できる枠組みをつくりました。グループ本社の完全週休3日制は、概ね週平均40時間の労働時間は大きく変えずに定休日を3日間増やしたものとなり、基本給は従来と変わりません。

 一方、グループ傘下の現業部門が選択できる週休3日制は、育児や介護など家庭の事情が発生しても選べる働き方になり、そもそも労働時間が減少します。

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