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ベルーナ、ホテル事業を”攻め”の成長戦略に位置付け 安野社長「年2施設の開業目標に」

2024年9月5日
編集部:飯塚 小牧

2024年9月5日(木) 配信

(左)安野清社長、安野洋開発企画本部長

 婦人服の通信販売事業などで知られる、ベルーナ(安野清社長、埼玉県上尾市)は9月4日(水)、同社の東京本部(東京都中央区)で会見を開き、2024年から成長戦略に位置付けている「プロパティ(不動産)・ホテル事業」について説明した。安野社長は「攻めていく領域」とし、宿泊施設は年間ごとに2施設の開業を目標にしたい考えを示した。同日は新たに、2025年7月、北海道小樽市に「小樽グランベルホテル」を開業することも発表した。

 同社の24年3月期の連結売上高は2083億円。このうち、主力のアパレル・雑貨事業は35・6%を占める。プロパティ・ホテル事業は15・4%と第3位の項目で売上高は320億1000万円、営業利益は42億6000万円となった。25年3月期の売上高は前期比14・3%増の366億円、営業利益は同25・5%増の53億5000万円を目指す。

 ホテルは子会社のグランベルホテル(安野清社長、東京都中央区)が主に運営し、現在は北海道から沖縄まで国内22施設、海外4施設を手掛ける。宿泊施設は都市型ホテルからリゾートホテル、旅館まで幅広く展開している。

 安野社長は「なぜアパレル通販事業者が他の事業を手掛けるのかよく聞かれる」と述べたうえで、約30年前の阪神淡路大震災を機にそれまで年20%増と順調に伸びてきた売上の成長が止まったことを受け、「事業の柱を増やす必要があった」と明かした。そこで「通信販売総合商社」を掲げ、ワインの通信販売事業などを開始。その結果、5つの「日本一」を成し、とくにワインの通信販売は10年以上にわたり売上高ナンバーワンを誇っているという。「ポートフォリオ経営を理念とし、それが実践できている」(安野社長)。

 そのなかで、約20年前に渋谷でホテル事業に参入。安野社長によると専門人材は入れずに「ド素人でスタートした」というが、見事成功。その後は赤字だった温泉旅館を取得し、黒字化するなど順調に推移している。

 同社のホテル事業の特徴として、安野社長はローコストオペレーションを挙げる。マルチタスクに努め、現場の社員全員参加型経営で改善、改良、改革に取り組んでいるという。「まずはお客様に喜んでもらうこと。顧客満足度を上げてリピーターにつなげ、従業員満足度を上げて、そして利益を出して会社満足度を上げている」と語った。このほか、都市型ホテルは好立地への展開で成功しているほか、リゾートホテルはロケーションの優位性、高感度な接客などが強みだ。

 今後について安野社長は施設数の具体的な数値目標は設定していないというが、「いい物件があれば、M&Aや開発などしっかりチャレンジしていく。ホテル事業もやる以上は他のビジネスと同様に、モチベーションを上げながらしっかり取り組みたい」と注力していく姿勢をみせた。

北海道エリアで施設数拡大、最多客室数の事業者に

小樽グランベルホテル外観イメージ

 同社は来年、北海道での新規ホテルの開業を複数予定している。会見では安野洋開発企画本部長が新規発表の施設として、25年7月に開業を予定する「小樽グランベルホテル」などを紹介した。新施設は小樽の文化や歴史との調和を目指したデザイナーズホテルで、JR小樽駅から徒歩15分に位置する。客室数は159室。最上階にはスパサウナ露天風呂付大浴場などを備える。

 すでに発表している「札幌ホテルbyグランベル」は25年4月中旬に札幌駅前に開業する予定。札幌市街地で最大級の605室の客室を用意し、プレミアムタイプの施設とする。客層はインバウンドや中間層を狙う。こだわりはワンフロアを使った露天風呂付きスパ&サウナ。25階に位置し、札幌市街が一望できるという。

 また、大型スパ・リゾートとして展開している「定山渓ビューホテル」(札幌市・定山渓温泉)の15・16階客室を24年12月下旬に、「エグゼクティブスイート翠嶺」としてリニューアルオープンする。同ホテルは7月に大浴場をリニューアルし、飛泉・湧泉川のサウナエリアを新たに開業。新規客室と同時に12月に鶴姫・舞姫側のサウナも完成し、全面的なオープンとなる予定だ。

 同社によると、これらの新規開業により、北海道では最多の客室数を誇るホテル事業者となる見込み。

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