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中小企業庁、後継者支援を加速へ 「アトツギサマーキャンプ」を開催 第5回アトツギ甲子園も決定

2024年9月10日
編集部:飯塚 小牧

2024年9月10日(火) 配信

元サッカー日本代表監督・岡田武史氏がトーク

 経済産業省中小企業庁は2021年から、全国の中小企業・小規模事業者の後継者が新規事業アイデアを競うピッチイベント「アトヅギ甲子園」を開いている。このほど、「第5回アトツギ甲子園」の開催を決定したほか、今年度は後継者支援を加速させるため、オンラインコミュニティ「ACT(Atotsugi Community Trigger)」を設立。そのキックオフイベントとして、9月9日(月)~10日(火)に東京都内で「アトツギ SUMMER CAMP」を開いた。

 イベントには中小企業の後継者や予定者、また金融機関などの支援機関から約170人が参加し、トークセッションやグループワークなどを行った。

中小企業庁・笠井課長

 主催者あいさつに立った中小企業庁事業環境部財務課の笠井康広課長は、同庁が行った2023年の調査で中小企業経営者の平均年齢は60・5歳と過去最高だったことを紹介。「後継者の確保と育成がこれまで以上に重要になっている」とした。このうえで、「事業継続に向け、若い世代の経営者が新しいことに挑戦することを応援することが大切。適切な時期の事業承継を促していきたい」と語った。

 こうした一環で行っている「アトツギ甲子園」については、後継者から「同じ悩みを持つ後継ぎ同士がつながれる場として重要」などの声があるほか、支援機関からも地域の経済を支える地場の中小企業にとって、事業承継は重要な課題として認識されていることから、注目を集めているという。

 事務局のベンチャー型事業承継・山野千枝代表理事は、中小企業の発展的な事業承継について「新しい事業への挑戦はある意味スタートアップよりも難しい。しかし、それが日本の未来に直結すると信じている」とし、熱い想いを語った。

 初日のセッション1では、FC今治高校学園長で元サッカー日本代表監督の岡田武史氏が登壇。「イノベーションは地方から起きる~アトツギがおこす地方革新の可能性~」と題し、組織経営のマネジメントなどについて語った。

 岡田氏は企業経営で重要なのは「人をどう動かすか」とし、そのためには「存在を認めてあげること。感情の共有が大切だ」と述べた。具体例として、出社した際に自席に着く前に一声掛けるなど、「あなたのことはしっかり見ている、必要としている」という姿勢を見せることが有効とした。また、財務状況など情報を隠さず開示することで、社員が自分事として考えられると自身の経験をもとに語った。

 リーダーの姿勢としては、「マネージャーとは違う。リーダーは夢や想いを語る必要がある。目的、夢を掲げて共通の目標を作ることが重要だ」と述べたうえで、人を率いていくときには「ありのままでいること。よく見せたいと思うのが人間だが、作ってはダメ」と助言した。

 また、地方で事業を展開する後継者が多いなか、先が見えない時代において「地方は衣食住の資源が豊富で、まだその知恵が残っている」と魅力に言及。「後継ぎはまちを愛し、自社の事業だけではなくまちづくりにチャレンジしている」と述べ、今後のそれぞれの活躍にエールを送った。

第5回「アトツギ甲子園」

 

 中小企業庁は現在、第5回アトツギ甲子園の挑戦者を募集している。参加資格は39歳以下(1985年4月以降に生まれた人)で、代表権を持つ前の後継予定者。親族外承継も含まれる。家業とは別法人の代表を務める場合も含むが、家業を今後承継予定か、家業の経営資源を活用していることが必要となる。

 エントリーは12月6日(金)、応募は12月9日(月)まで。2025年1月から、全国6ブロックで地方予選大会が行われ、決勝大会は25年2月20日(木)に東京都内で行う。大賞は経済産業大臣賞で、各賞には補助金の特別枠に申請可能など特典がある。また、エントリーすることで得られる特典も用意しているという。詳細は公式サイトから。

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