民泊問題で誤解も、宿泊業界の考えを表明
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(北原茂樹会長)は1月25日、東京都・平河町の全旅連本部で規制改革にともなう民泊について記者会見を開いた。多様なメディアでさまざまな情報が飛び交うなか、一部誤解を招くような報道もあることから、宿泊業界の考え方を明確に示した。
会見には全旅連の北原会長をはじめ、佐藤勘三郎会長代行、清澤正人専務理事、日本旅館協会の佐藤英之専務理事が出席した。
冒頭、佐藤会長代行が趣旨説明し、「民泊問題は衛生や治安、課税、また、旅館業法、旅行業法、建築基準法、消防法など多面的な視点から議論されなければならない」と強調。そのうえで、現在民泊について(1)農家民泊、イベント民泊などすでに認められているもの(2)国家戦略特区など現在進行形の民泊(3)“シェアリング・エコノミー”と言われている宿泊型のプラットフォーマーを使った、なし崩し的に始まっているもの――にカテゴリー分けし、「本来なら一つずつ丁寧な議論が必要だが、現状では混同して議論される場面が多く、分かりづらい状況になっている」とし、「さまざまなルールが必要」と述べた。
北原会長は「無許可で民泊を行うことは現在の法律の下では違法であり、各地域の旅館業法施行条例に基づいて許可を取ることを指導していただけるように、昨年から何度も呼びかけてきたが政府は動いてくれないことを危惧している」と述べ、「そのことによって国民に『民泊は誰でもできる』という錯覚を起こしている原因だと思う」と語った。さらに、「民泊という新しい事業形態がしっかりとルールに則って、同じ土俵の上で競争することに異論はない」とし、政府に再度ルールの遵守と違法の取り締まりの徹底を求めた。