NAA24年度上期(4~9月)、外国人旅客が初の1000万人突破 記録的な円安で暦年上期に続き
2024年10月29日(火) 配信
成田国際空港(NAA、田村明古社長)が10月28日(月)に発表した2024年度上期(4~9月)の総旅客数は、前年同期比20%増の1992万5519人だった。このうち、国際線の外国人旅客数は同34%増の1079万2022人と暦年上期(1~6月)に続き、年度上期としても初めて1000万人を突破した。記録的な円安を背景とした訪日需要の増加が主な要因。
国際線の日本人旅客数は同27%増の395万3675人。コロナ禍前の19年同期比では47%減となった。
国内線旅客数は前年同期並みの390万6790人。19年同期比では2%減。
総発着回数は前年同期比16%増の12万2000回。国際線は同26%増の9万5475回。国内線は同3%増の2万6525回。
同日に発表された9月の国際線旅客数は、前年同月比112%増の323万531人。このうち、外国人旅客数は同25%増の160万4860人と8カ月連続で最高。19年同月比で20%増だった。一方、日本人旅客数は前年同月比22%増の78万1401人。19年同月比では45%減。
同日の会見で田村社長は「11月の外国人旅客数も予約が好調で、昨年を上回る。アウトバウンドは少しずつ回復していくだろう」との見通しを示した。
□総旅客数19年近づく カスハラ方針策定
10月1(火)~19日(土)までの国際線旅客数は、前年同期比78万4600人。19年同期比では同2%減となった。
このうち、中国線は前年同期比70%増の10万9400人。19年同期比では9%増だった。
田村社長は「国慶節で中国人旅客が大幅に増え、総旅客数が19年の数字に近づいた」と説明した。
また、成田空港CS協議会(会長=土屋陽子NAACS・ES推進部長)はこのほど、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の基本方針を策定した。国内の空港でカスハラ対策をまとめたのは初めてという。
田村社長は「(カスハラは)週に数件発生している。安心して働ける環境を整えることで、お客様により良いサービスを提供する」とした。
同方針では、大声で執拗にスタッフを責め立てる行為や職種による差別的な言動のほか、提供するサービスの内容と関係のない金銭補償の要望を具体例として挙げた。このような行為が見受けられた際は、毅然とした対応をするとしている。
同協議会は成田空港全体のCS向上を目的として、NAAをはじめ、航空会社や店舗、交通機関、清掃会社など29機関で組織されている。