日本バス協会、自動運転実現へ支援要望 危機突破の総決起大会開く
2024年11月8日(金)配信
日本バス協会(会長=清水一郎・伊予鉄グループ社長)は11月6日(水)、東京・永田町の自由民主党本部で「バス危機突破総決起大会」を開き、バス事業が持続的なサービス提供を行うため、政府に抜本的な財政支援強化を求める決議を行った。バス産業が地域公共交通の要としての役割を担い続けるために、自動運転の本格運行の実現に向けて、清水会長は「国家プロジェクトとして進めていただきたい」と支援の拡充を求めた。
同協会と自由民主党バス議員連盟が共同で決議した政府への要望は、①深刻な運転士不足の解消②自動運転バスの本格運行に向けた支援大幅強化③EV(電気自動車)バスなどの普及で環境へ貢献④完全キャッシュレス化の実現――の4点。深刻な運転士不足や燃料高などの影響から、全国各地で減便や路線廃止が顕在化している瀬戸際にあり、貸切バスも修学旅行に対応できないほどの厳しい状況であると訴えた。
主催者代表の清水会長は運転士不足に対して、外国人運転士が制度上の受け入れは可能となったが、実際の就業まで「ハードルも高く難しい」との現状を明かした。採用促進を進めるものの、EVバス、キャッシュレス化に加えて、運転士不足に対する切り札は「自動運転」と説明。あらかじめ設定した路線上を運行する乗合バスに導入し、本格運行の実現に向けて「国家プロジェクトとして進めていただきたい」と支援の拡充を求めた。
続けて登壇した自由民主党バス議員連盟の逢沢一郎会長は、バス事業者の体力が弱まった状態では地方創生を前進できないと主張。これを念頭に置き、「バス事業者が本来の持続可能な経営にしっかりと当たれる環境や条件の確保に取り組んでいく」と約束した。そのうえで「バスは国民の移動の自由や利便の最後の砦」と訴え、女性や外国人にも目を向けて、運転士の確保に成果をあげていきたいと語った。
当日は自民党の森山裕幹事長、鈴木俊一総務会長、小野寺五典政調会長をはじめとした国会議員や、國場幸之助国土交通副大臣、全国各地のバス事業者らが出席。堀内詔子バス議連事務局次長が大会決議を読み上げ、最後に清水会長のガンバローコールで締め括った。