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「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(166)いつもとちがう行動を創造する研修 継続は新しい行動へ

2024年11月17日(日) 配信 

 

 ホテルの朝食会場で働くスタッフの研修を行ったとき、「多くのお客様が順番待ちする満席の会場」を事例に「1つのテーブルが空き、次のお客様を迎える準備ができて、お客様をテーブルに案内するというシーン」という設定で順番にロープレしました。

 研修に参加したスタッフは明るく元気に「おはようございます。いらっしゃいませ。お待たせいたしました。ご案内いたします」と丁寧にあいさつしていました。あなたならどのような行動と声掛けをするでしょうか。

 研修で伝えたのは、案内するお客様への対応と同時に、列に並ぶお客様への対応です。案内するお客様は宿泊者がほとんどですが、スタッフから「昨夜はゆっくりとお休みいただけましたか」という言葉を、朝食会場で聞く機会は非常に少ないのが現実です。

 チェックアウト時にフロントから問われることはありますが先を急いでいると、何か問題があってもほとんど「はい」とだけ応えています。

 しかし、朝食時の少し余裕があるこの時間を、有効に使わない手はないのです。もし何か問題があれば、直ぐにフロントに伝えて対応できます。問題点を何も語らずに去って行くお客様(サイレントカスタマー)が最も怖いことは、皆様もご存じの通りです。

 さらに、お待ちいただいているお客様のことも忘れてはなりません。「混み合って大変申し訳ございません。順番にご案内しますのでしばらくお待ちください」といった声を聞くこともありますが、待っているというイライラ感はほとんど解消されません。

 航空会社の客室乗務員の研修時、ドリンクサービス中、コーヒーを希望されたお客様の直前にコーヒーを切らしたとき、どのように声を掛けるべきかという話をしたことがあります。ロープレ研修時に客室乗務員がお客様から称賛の声をもらった事例を話しました。

 それは、ご案内するお客様だけでなく、お待ちいただくお客様にも関心を寄せる。つまり「席が空き次第、すぐにご案内いたします」という言葉を掛けること。この「すぐに」を加えることで、待たなければならない時間を少しでも気持ちよくするのです。

 ロープレ研修では、社内スタッフだけでなく外部の人も入れることが大事です。社内の当たり前やできない理由を排除しなければ、良い成果を上げることはできません。成果とは、昨日と違う行動を創造することです。

 さらに重要なのは、生み出された新しい行動を、勇気を持って実行する。はじめは上手くいかないかもしれませんが、やり続けることで、昨日の行動をお客様に喜ばれる新しい行動に変えていくことができるのです。

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

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